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クールジャパン!ヘラブナ釣りと紀州へら竿の町橋本

世界各国の審査員計100人が「かっこいい」と認定する、一般社団法人クールジャパン協議会主催の「COOL JAPAN AWARD 2019」インバウンドカテゴリー部門で、「ヘラブナ釣りと紀州へら竿の町橋本」(和歌山県橋本市)が受賞した。同市の紀州製竿(せいかん)組合の紀州へら竿は国の伝統的工芸品で、地元にはヘラブナの釣り池があり、この受賞により、橋本のまちは世界の釣りファンの注目を浴びそう。
橋本は日本一のへら竿の名産地。同組合のへら竿師が作った和竿3000~3500本が、毎年全国に出荷され、100年以上の歴史と全国シェア90パーセントを誇る。
同市清水の隠れ谷池では過去10回、紀州へら鮒竿の里「HERA‐1グランプリ」(全国ヘラブナ釣り選手権決勝大会)を開催して釣果を競った。その後も橋本は大勢の釣りファンに愛されている。
今回、一般社団法人・高野山麓ツーリズムビューロー企画部の梅木俊光(うめき・としみつ)部長が「ここは世界に自慢できるまち」と感じ取り、調査資料をまとめて「COOL JAPAN AWARD 2019」に応募。審査員らが国際的な視点から審査の結果、全国307件の中からインバウンドカテゴリー部門賞に選ばれた。
京都御苑閑院宮邸跡レクチャーホールでの表彰式では、同組合のへら竿師・山上寛恭(やまうえま・ひろやす)さん、同市の笠原英治(かさはら・えいじ)理事、梅木部長の3人が出席した。
経済産業省の関芳弘(せき・よしひろ)副大臣は「日本の誇るべき価値の海外発信の先駆けとしてほしい」と挨拶。同協議会のアレックス・カー特別顧問は、「美しき日本を求めて」と題した講演で、「これまで手つかずにされてきた地域の中にこそ、クールジャパンは眠っている」と強調した。
山上さんら3人は「紀州へら竿は、すでに日本の伝統的工芸品に認定され、今回、釣り池と共にこの町が世界的に評価されたのはうれしい」と口をそろえ、受賞で「COOL JAPAN 認定マーク」(無償・無期限使用OK)が付与されたことについても「大いに海外アピールできる」と感激。10月にはニューヨーク、来年はパリで開催される展示会で、紀州へら竿も出品できることになる。
貴重なヘラブナ釣りの「隠れ谷池」は、昨年9月の大型台風で、浮桟橋の3分の1が浸水したが、多くの釣りファンからの要望で、同市は修繕費の一部を予算化。同組合が池の減水、破損桟橋の撤去、新桟橋を設置し、6月1日から本格営業を始めている。
写真(上)は銘「こま鳥」の紀州へら竿づくりに取り組むベテラン竿師・山上さん。写真(中)は表彰式に紀州製竿組合を代表して出席した山上さん=右=と梅木部長=中央、笠原理事=左。写真(下)は修繕が完了し営業再開した隠れ谷池=橋本市シティセールス推進課・提供。


更新日:2019年6月4日 火曜日 00:00

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