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橋本高と智弁和が記念野球、新グラウンド祝完成
ゲリラ豪雨の後でも練習OKというグラウンドが、和歌山県橋本市古佐田の県立橋本高校・古佐田丘中学校に完成し、5月4日、同校創立100周年記念・グラウンド完成記念式を開いた後、橋本高校野球部と智弁学園和歌山高校野球部の〝紅白試合〟で、グラウンドの「こけら落とし」を行った。
同日正午からグラウンドで開かれた式典で、「橋本高校創立100周年記念事業実行委員会」の向井嘉久蔵委員長が、「皆さんの念願のグラウンドができた。しっかり練習して、強いチームになってほしい」と激励。智弁学園和歌山高校野球部の高嶋仁監督が「いいグラウンドの完成、おめでとうございます」と祝辞を述べた。
この後、文字通りの五月晴れの下、橋本高校が先攻、智紅和歌山が後攻で、元気よくプレーボール。真新しいグラウンドで、双方とも、はつらつとしたプレーを展開した。さすがに試合は、6対0で智弁和歌山が圧勝したが、橋本高校も強豪を相手に全力で戦い、すがしい汗を流した。同校の野球部出身で、元・毎日オリオンズ(現・千葉ロッテマリナーズ)投手だった向井委員長は、後輩を相手に自ら投球フォームを披露し、「ボールを放す前に、もう一度、指に力を」などとアドバイスした。
また、向井委員長は「約40年前のある日、強豪・PL学園(大阪)と練習試合が行われることに。ところが、橋本高校のグラウンドは狭いうえ、凸凹だらけでした。監督さんは『選手が負傷しては大変』と驚き、試合を断念、選手を引き連れて、帰ってしまいました。監督さんにば無理のない話ですが、私たちには屈辱でした」と振り返る。「以来、何としてもグラウンド拡張、整備は、学校も生徒も卒業生にとっても、悲願でした」と話し、「こんないいグラウンドで練習すれば、どこででも堂々と戦える心が自然と養われるし、他校からの練習試合の申し込みも増えて、確実に実力がつく」と、完成を喜んでいた。
同校のグラウンドは、最近まで1万3000平方メートル。中学・高校一環校のグラウンドとしては狭いのに、運動部は13部もある。このうち野球部やサッカー部、陸上競技部などは、いつも打球が頭などに当たる危険性をはらんでいた。
しかし、2009年秋、地元協力などを得て、グラウンド拡幅工事に着手。北側へ約2000平方メートル拡張。グラウンドは排水能力を備え、いわゆるゲリラ豪雨に見舞われても、約1時間後には、練習ができるように整備され、バックネット裏には、約300席の観覧スタンドも設けた。北側には、砂入り人工芝のテニスコート場(5面、2900平方メートル)も新設した。
同校は1911年(明治44)、橋本町立実科高等女学校として創立。18年(大正7)に伊都郡立高等女学校、戦後の教育改革に伴い、48年(昭和23)に県立高校となり、06年(平成18)に古佐田丘中学校を併設、現在に到っている。