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願い届け!と〝火生三昧〟~役行者ゆかりの小峯寺

奈良時代の修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が修練したと伝わる和歌山県橋本市小峰台の寶雲山「小峯寺」(拝田賢翔住職)で、3月3日、東日本大震災の被災地復興と、善男善女の願意を祈る〝柴燈大護摩祈祷(さいとうおおごまきとう)〟と、裸足で火渡りする〝火生三昧(ざんまい)法要〟が営まれた。
奈良県大和郡山市の薬園寺住職で二實修験道の北野宥範総監や、拝田住職ら13人の修験者(山伏)が本堂に参集し、秘仏・馬頭(ばとう)観世音菩薩をご開帳してご祈祷した。
この後、境内に竹を立て縄で囲んで結界を設けた中で、大斧や剣、弓矢を使った〝清め〟の儀式を行った後、吹き鳴らす法螺貝(ほらがい)の音を合図に大護摩に点火。火は瞬く間に猛煙を巻き上げ、太い火柱となって燃え上がった。
朱塗りの大傘の下の北野総監と拝田住職の2人は、他の修験者らとともに、人々の願意を書いた護摩木を、次々と炎の中に投げ入れ、呪文を唱えながら、諸願成就を祈願。これに従い、結界の外の善男善女も、炎に向かって、一心不乱に手を合わせた。
また、拝田住職は、東日本大震災の犠牲者供養と被災地復興を願う願文を護摩に向って読み上げ祈願。〝火生三昧〟は、修験者たちが、まだ燃えている熱々の大護摩の灰をならし、長さ約3メートル、幅約2メートルに広げて〝灰の道〟をつくって開始。大勢の善男善女が列をつくり、裸足になって、炎の帯の間の〝灰の道〟を、合掌しながら通り抜けた。
小さな子どもを抱いて、慎重に渡る女性、修験者に助けられながら渡る老婦人、「熱い、熱い」言って跳び上がるように走る児童ら、いずれも必死の形相だったが、走り抜けた後は、願意を届けた達成感のような輝かしい顔をしていた。
小峯寺は、延宝6年(1678)に鋳造された梵鐘の銘文に「小峯山は奈良時代、役行者が滞在し、修練したところで、小峯寺はこのときに始まる」、また「山は五色の霧が立ちこめることから、山号を寶雲山、小峯寺の名は修験道の霊場・大和国大峯山に対比していう」という意味の文が記されている。
近隣各府県から訪れた信者たちは「この儀式を終えて、やっと春が来る。今年も春夏秋冬、生き生きと生きる」と明るい表情を見せていた。
写真(上)は燃え盛る護摩檀に護摩木を投げ込む修験者。写真(中)は小さな子どもを抱え必死で〝火渡り〟をする女性。写真(下)は結界の四方に魔除けの弓矢を射る修験者。

更新日:2013年3月4日 月曜日 09:40

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