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春雪の大峯山見えた♪橋本・丸高稲荷~夕月も淡く
春本番へ向かう〝三寒四温〟の3月6日、和歌山県橋本市隅田町の丸高稲荷(まるたかいなり)神社・境内に立つと、春の雪にかがやく修験者の聖地、奈良・大峯山(おおみねさん=標高1915㍍)が遠望でき、三々五々と訪れる家族連れらを喜ばせていた。
大峯山とは「日本百名山」の〝大峯山脈〟のことで、その山岳の一つ、山上ヶ岳(さんじょうがたけ)は、飛鳥時代の呪術者・役小角(えんのおづぬ)が開山、天皇・皇族が参詣した。この険しい山中では、悟りを求める多くの山伏が修行している。
丸高稲荷神社は、隅田八幡神社・北側の末社。87基の朱塗りの〝鳥居トンネル〟をくぐり、高台の本殿わきに立つと、南東の桜の木々の合間から、遥か遠くに大峯山の雪景色が見える。
カメラでズームアップすると、ぐぐっと青空に春の雪嶺(せつりょう)が際立ち、山襞(やまひだ)がかげらう。山岳修行の山伏の姿が目に浮かび、ぶぉぉ~っとほら貝の音さへ聴こえてきそう。
午後3時半頃には、東の空に淡い半月(はんげつ)が現れ、西日を受ける梅の花のそばに霞んで見えた。まさに「菜の花や月は東に日は西に」(与謝蕪村)の俳句に近い、菜の花を「春の雪嶺」か「白梅や」に置き換えたような趣(おもむき)である。
丸高稲荷は紀北地方の桜の名所。染井吉野など沢山の桜の木々に覆われ、境内には紀伊山地を望む展望室をはじめ、ぶらんこや滑り台、ベンチなどもある。
今は新型コロナウイルス感染症対策で、小中学校などは休校中。お母さんたちは、子ども連れで訪れ、大峯山を見せたり、遊具で遊ばせたり、普段見られない時間を過ごしていた。
桜は毎年4月上旬に満開となるが、今年は暖かいので、今後の天候次第では、3月下旬に見頃を迎えそう。
写真(上)は丸高稲荷の桜の木々の間から見える春雪の大峯山。写真(中)は淡い早春の半月。写真(下)は丸高稲荷近くの高台から眺めた大峯山=ずっと手前は橋本のあやの台の風景。