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企画展「如来―NYORAI―」開幕♡高野山霊宝館

仏の最高位にあたる如来(にょらい)――。和歌山県高野町高野山の高野山霊宝館で企画展「如来―NYORAI―」が始まった。
高野山では曼荼羅の中心に位置する大日如来、極楽浄土へ導く阿弥陀如来、無病息災をかなえる薬師如来などが本尊として祀られている。
鳥羽正剛(とば・せいごう)学芸員は「今回、如来に関する珠玉の文化財を多数展示しました。新型コロナ感染に注意しながら、ご鑑賞ください」と言っている。
前期は~9月27日、後期は8月25日~9月27日(一部展示替え)で、会期中は無休。
展示中の「阿弥陀如来及両脇侍立像(りょうわきじりゅうぞう)」(重文、3躯、木造)は、来迎印(らいごういん)を結ぶ阿弥陀如来像と、その左右で蓮台(亡失)を受ける観音菩薩と勢至菩薩の立像が配されている。
「八万四千宝塔(はちまんしせんほうとう)」(小型五輪塔=木製、全高90センチ、江戸時代)は10基展示。同塔は昨年春、高野山・圓通寺本堂の須弥壇(しゅみだん)の下から発見された。
先ず住職・龍海(りゅうかい)が「八万四千宝塔」として造塔を発案し、後任の隆鎮(りゅうちん)が後継。底部には地名、寺院名、施主名、法名などを墨書。各地の寺院や高野聖(こうやひじり)が関わり、檀信徒らに造塔を唱導、高野山に納めた。
「八万四千信仰」とは、古代インドの王様が釈迦の遺骨を集めて、「8万4000基の仏舎利塔(ぶっしゃりとう)」を建立した由来に基づいており、同宝塔に込められた檀信徒の祈りの深さがわかる。
「仏頭(ぶっとう)」(木製、総高102センチ)は昭和6年(1931)の高村光雲(たかむら・こううん)作。伽藍・金堂が昭和元年(1926)の火災で全焼、高野山開創以来守り伝えられた本尊・薬師如来坐像も焼失した。展示しているのは光雲が金堂再建に伴い造立した仏頭の試作品で、晩年の光雲の円熟味が伝わってくる。
会期中は国宝2件5点、重文23件34点、未指定36件を含む計約90点を展示。
開館時間は午前8時30分~午後5時30分(入館・同5時)。拝観料は一般600円、高校・大学生350円(要学生証)、小・中学生250円。
問い合わせは高野山霊宝館(電話=0736・56・2029)。
写真(上)は阿弥陀如来及両脇侍立像。写真(中)は八万四千宝塔。写真(下)は高村光雲・作の仏頭=いずれも解説者は鳥羽・学芸員。


更新日:2020年7月13日 月曜日 00:00

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