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高齢者の写真ほのぼの…橋本市民大学の72作品
和歌山県の橋本市民大学「いきいき学園」写真クラブが主催する「第3回写真展」が、3月14日、橋本市教育文化会館4階で始まった。60~80歳代の部員の作品には、人生経験豊かな抱擁力があり、訪れる人たちの心を和ませている。16日(日)まで。入場無料。
展示作品は、写真クラブ講師の大谷憲裕(のりひろ)さんの「天使たち」と、部員43人の計72点で、いずれもA3判サイズの額入り。
大谷さんの「天使たち」は、モノクロ写真で、背中に翼をつけた少女4人が、ほの灯りの中で、ささやき合っている光景。まさに聖なる空気が漂っている。
ほとんどは「単写真」だが、うち「組写真(3枚)」が2組展示されている。うち1組は中本義則さんの作品「寂(じゃく)」で、かつらぎ町の丹生酒殿神社と鎌八幡神社の1風景を撮影。左に銀杏(いちょう)の木、中央に幾つもの鎌(かま)を突き立てた樫(かし)の木、右に2棟の社の写真を掲示した。五穀豊穣を祈る気迫と、それを包む静寂が伝わる。
もう1組は、辻上嬉代美(つじうえ・きよみ)さんの「山が燃える」で、生石高原の山焼き風景を活写。左は激しく白煙が上がり、中央は赤々と燃え盛り、右はその始終を見届けた観光客の後姿。風や音や匂いさえも感じられる。
「単写真」の山戸正信さんの「フェイス」はパッと目を見開いたトラフグミミズクの表情、西本キヨ子さんの「地球は一つ」は電車内での外国人のリラックス風景、桑原耕作さんの「水辺の藤」は子安地蔵寺の藤を撮影。どの作品も人々を立ち止まらせている。
大谷さんは「さすがに皆さん、癒し系の作品が多く、技術力も年々、レベルアップしています。いい写真を撮るのは、簡単ではありませんが、皆さん真剣に取り組んでいて、若返っておられます」と講評した。
〔写真展の作品一覧 敬称略〕
講師 大谷憲裕「天使たち」
会員 安西幸雄「こっちおいで」 伊藤勲「秋の色彩り」 伊藤幸子「私の出番」 小野香代子「おでかけ・ほっと一息・高知のホテル」 川原渡「にぎわい」 木村和代「群青」 粂和夫「往く・光」 桑原耕作「水辺の藤」 桑原佐智子「ゴールデンウィーク」 作田聖三「2人で仲良く」 下通子「2人で」 杉村徹治「成人式」 高田祥子「アソボウ!?」 武美樹子「吹雪く・待つ・静寂」 田辺逸子「黄昏時・テレパシイー」 辻上嬉代美「山が燃える(3枚組)」 寺本美代子「マイフレンド」 永野光治「川辺」 中村義光「花車」 中本好子「里の春・初体験・野焼き」 中本義則「寂(3枚組)・灯」 中山信夫「最期の一ひら」 西村章「交歓の一時」 西本キヨ子「幽・好奇心・地球は一つ」 丹生勝子「かくれんぼ・秋影」 畑下美江「夕景・営業中・朝霧」 羽根喜代治「こもれび」 濱田千賀子「二人の時間・談笑・海が呼んでる」 林民子「ひととき」 樋垣和子「秋日・雪化粧・仲良し」 福本泰久「なに?なに?な~に?」 前沢孝征「清純」 道浦令一「終花・フレンド」 宮野彰「ウエスタン・紅葉橋」 森啓裕「灯」 森脇稔「年輪」 山口隆子「秋光・湖面」 山戸正信「フェイス・手数料奉納・仕事中」 山本弘「朝の旅立ち・大空へ」 吉原光彦「サイクロン・斜光」 米岡正夫「衛兵・バザール」。
写真展の開催時間は、15日(土)は午前9~午後5時、16日(日)は午前9~午後4時。
写真(上、下)は開幕した橋本市民大学いきいき学園「写真クラブ」の写真展。写真(下)は辻上嬉代美さんの作品「山が燃える」(3枚組)。