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妙楽寺11月〝慶讃法要~本堂再建祈願など

真言律宗総本山の奈良・西大寺の末寺、和歌山県橋本市東家の「妙楽寺」の再建再興委員会(森下功委員長)は、今年11月4日、〝鐘楼門の落慶〟〝初代住職・如一尼(にょいちに)の1170回忌〟〝本堂再建祈願〟の三大仏事を合わせた「慶讃(けいさん)法要」を開く。同委員会は地元区民に慶讃法要への招待状を配るとともに、森下委員長は「郷土の貴重な文化財・歴史を、次世代に伝えましょう」と訴えている。
同寺は嵯峨天皇の勅願により弘仁11年(820)、弘法大師・空海が開創し、姪(めい)の如一尼が初代住職を務めた。戦国時代、織田信長の高野攻めの際に焼失し、その後、再興されたが、祈祷寺で檀家がいないため衰退、寺の建物は著しく荒廃していた。
それでも倒壊寸前だった鐘楼門は、区内篤志団体の浄財により今夏、宮大工の手で修復。老朽化と台風豪雨のため、屋根が崩落した本堂は、菊の御紋入り瓦などを残して、完全撤去された。所蔵していた大日如来座像1体と薬師如来座像2体(いずれも和歌山県指定文化財)は、橋本市郷土資料館で保存・展示されている。
最近では同寺所蔵の木造観音菩薩立像(奈良時代後期~平安時代初期)が、紀の川筋で最古の木彫像とわかり、先ずは橋本市文化財に指定されている。
和歌山県立博物館の大河内智之・学芸員は、東家区で開かれた「高野山麓 歴史の旅〜東家・妙楽寺の仏像と歴史〜」と題した講演で、「妙楽寺は大日如来など3体と木造観音菩薩立像を所蔵。これは長い歴史と、多くの災難の中から、地域住民が必至で守り抜いてきた大切な文化財です。寺の建物は今、それと同じ再興造営の時期にあり、ぜひ貴重な文化財を後世に残してほしい」と強調。妙楽寺再建再興委員会や参加住民の心を打った。
慶讃法要は、11月4日午前10時から、同寺境内で開催(雨天決行)。この後、近くの東家コミュニティーセンターに場所を移し、高野山「中門」建設を指導している修復建築家・鳴海祥博氏が記念講演を聴く。さらに御齊(おとき=昼食)の後、午後1時半ごろ閉会の予定。招待状には「準備の都合上、出席頂ける場合のみ、同封のはがきに住所・氏名などを記入、10月10日までに投函してください」と呼びかけている。
森下委員長は「先人が守ってくれた文化財であり、ぜひ皆様が主体となられ、地域の文化財・歴史を次世代にバトンタッチ。東家の歴史に足跡を残していただきたい」と訴えている。
写真(上、下)は修復工事が完了した妙楽寺・鐘楼門写真(中)は本堂再建を祈願し11月に「慶讃法要」が営まれる妙楽寺=今は屋根が崩落した本堂は撤去されている。


更新日:2013年9月28日 土曜日 08:56

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