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連載「橋本を彫る~巽好彦の世界~」その④

《松ヶ枝橋》
松ヶ枝橋。もう、こんな呼び名も、古い町に住んだ一部の人々の中にしか、いないのかも知れない。この橋も、橋本川の改修で、姿が変わる時も近いと聞く。本通の賑わい。つい先日まであったのに、昨今の通りのさびしさは、時の流れの早さに驚かされる。年の瀬に開かれていた〝年の市〟の、あの人々の群れ。親に連れられて、歩いた人ごみの思い出は、この道の上に残る。(注=この松ヶ枝橋は既に新しい橋に架け替えられている)。
《柱本の棚田》
宮本常一・民俗学者の書物の中で、かって柱本は、茅葺屋根の職人さんが多く住んだ村であったことを知った。紀見峠越えの一集落に、伝統ある人たちがいた事実。古い大和棟造りの民家にはっきりと残されている。開発された新興住宅地から見るこの集落は、日本の農村風景そのものです。棚田の美しさの中に、四季折々の表情を変える静かな山間の村。いつまでも残ってほしい橋本の風景である。
《御幸辻の民家》
山を削り、谷を埋め、新しい民家が立ち並ぶ旧紀見地域。その中で、ここ御幸辻の一角には、昔ながらの橋本地方特有の、美しい民家が見られる。大屋根には煙出しの小屋根がのせられ、頑丈に門構えもなされている。その近寄りがたい威厳の中に、先人たちの智恵がしのばれる。
(木板画・文=日本板画院同人・巽好彦さん)
写真(上)は松ヶ枝橋。写真(中)は柱本の棚田。写真(下)は御幸辻の民家。

更新日:2013年1月4日 金曜日 04:33

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