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高齢者に笑顔「くにぎの郷」~健康講座や習い事

「お年寄りに笑顔と元気を」と今春、和歌山県橋本市清水にオープンした高齢者の交流拠点「くにぎの郷」で、10月31日橋本市民病院の西口孝・院長代理による「認知症の予防」と題した講座が開かれ、お年寄りら約50人が参加し、明るい笑顔で「健康長寿」を誓った。
同地区の80歳以上の高齢者は101人で、65歳以上の高齢化率が約65パーセントと高いことから、区民から「高齢者の憩い・交流の場」を求める声が多かった。
そこで「くにぎの郷」運営委員会(高津博会長)を立ち上げ今年4月、事業費650万円(県費補助450万円、残り地元負担)で、旧高野街道沿いの民家(木造平屋約100平方メートル)を借り受け、バリアフリー化工事を行うなど、改修オープンした。
カラオケ、喫茶、マッサージ、ゲーム、テレビ(落語や漫才)などが楽しめる楽々空間を設け、コーヒーや紅茶は100円、うどんは200円と安価で提供。また、毎月10回にわたる講座や民謡、三味線、絵手紙教室などの〝イベント〟を開き、連日20~30人が利用している。
この日、西口・院長代理(脳神経外科)は「体験の一部を忘れるのは加齢による物忘れ。体験全体を忘れるのが認知症による物忘れ」であり、「今日の年月日や曜日がわからない、同じことを何度も言ったり、会うたびに同じ内容の話をしたりする。これらが、認知症に気づくポイント」などと説明した。
また、「認知症ケアには、愛情(きずな)や包含(受容)性などが必要」であり、「認知症予防の食事は、塩分やコレステロールを摂り過ぎず、栄養バランスを考えること」などと強調。講座の後、参加者らは、「さっそく注意しなければ」と、笑顔で誓い合っていた。
高津委員長は「くにぎの郷は、私たちランティア20人(うち女性15人)で運営しています。利用者は70~90歳代で、その約90パーセントは女性たち。利用者からは〝ここで交流するのが楽しい〟と好評ですが、男性の積極的参加も、ぜひお願いしたい」と期待している。なお、施設利用については、地元負担金で運営しているので、地元優先だが、「区民以外も歓迎」といっている。
開館時間は午前10時~午後4時。日曜、祝日は休館。利用は無料(習い事の材料費などは必要)。
写真(上)は高齢者の交流拠点「くにぎの郷」。写真(中)は「認知症とその予防」をテーマに講演する西口・橋本市民病院院長代理。写真(下)は熱心に西口・院長代理の講演を聴く皆さん。


更新日:2012年11月1日 木曜日 05:55

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