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健康長寿は減塩食から~有田院長〝くにぎの郷〟講演
和歌山県橋本市清水の高齢者の交流拠点「くにぎの郷(さと)」=高津博(たかつ・ひろし)代表=で、6月25日、和歌山県立医大付属病院・紀北分院の有田幹雄(ありた・みきお)院長による「地域包括ケア」と題した健康講座が開かれ、高齢者約50人が参加して、「健康長寿は栄養・運動・休養を考え、自ら実践すること」の大切さを学んだ。
「くにぎの郷」は、清水区の65歳以上の高齢化率が約65%と高いことから、地元住民でつくる「くにぎの郷運営委員会」が平成24年(2012)、旧・高野街道沿いの民家(木造平屋約100平方メートル)を活用、バリアフリー化工事を施してオープンした。
内部にはカラオケ、喫茶、マッサージ、ゲーム、テレビ(落語や漫才)などを楽しめる「楽々空間」を設け、コーヒーや紅茶を100円、うどんを200円の格安で提供。また、毎月10回にわたる講座や民謡、三味線、絵手紙教室などの〝イベント〟を開催。連日20~30人が活発に利用している。
この日、有田院長は、特設スクリーンに、パソコンでイラストやグラフなどを投影しながら、「健康長寿の要点」について説明。「私たちは、地域密着型の医療を考え、例えば、単に患者さんの血圧測定を行うだけでなく、個々人の飲酒、喫煙、塩分摂取量などの、日常生活の問題点まで把握しなければならない」と強調。「これまでの病院完結型の医療から、地域完結型の医療に」脱却したいという姿勢を示した。
さらに国のデータを提示し、和歌山県民は高血圧患者が極端に多く、高血圧による死亡率も最悪状態であることを指摘。とくに「健康づくりは塩分、糖分を極力減らし、水分を十分摂取して、禁煙、しつかり歩くことが重要。自らの健康デザインを、自ら描いてください」と語りかけると、受講者らは「わかりました」というふうにうなずき、お礼の拍手を送っていた。
高津代表は、有田院長の講演に先立ち、「高齢者の皆さんは、いざという場合119番、救急車を手配することになりますが、その際、即座に自分のいる場所、問題の起きた場所を、消防署に説明しなければなりません。さすがに気持ちが動てんし、説明が難しくなりますので、日頃から、自分が今、どこにいるかを知っていてほしい。携帯電話は必ず持ち、私または消防署に、すぐにつながるよう、設定しておいて下さい」と訴えていた。
<平成26年度の7月以降のスケジュール>
7月29日(火)=「動脈硬化にならない為に」(紀北分院 佐々木教授)、8月26日(火)=「肝炎について」(紀北分院 田中教授)、9月24日(水)=「感染症について」(橋本市民病院)、10月2日(木)=「高齢者の包括支援について」(橋本市包括支援センター)「安心カプセルの提供と活用について」(社会福祉協議会)、11月26日(水)=「28年度介護制度の改正について」(橋本市福祉課)、12月5日(金)=「本当は怖い腰痛の話」(紀北分院 川上守教授)。
清水区以外からも参加歓迎。受講予約や問い合わせは高津代表(電話=0736・33・7272)へ。
写真(上)は有田院長の講演を聴く参加者たち。写真(中)はスクリーンにグラフなどを投影しながら講演する有田院長。写真(下)は人気の高齢者・交流の拠点「くにぎの郷」。
「くにぎの郷」開館時間は午前11時~午後4時。休館日は毎週日曜日と祝祭日。