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自然農法家は71歳の大学院生…丸山さん闊達

鉄工所を定年退職した後、「消費者に安全安心な食を届けたい」と、自然農法による農園を経営を実践している71歳の和歌山大学・大学院生がいる。和歌山県橋本市神野々969の8、「まるやま農園」経営・丸山惠弘さんで、「定年後に学んだ高校(定時制)の教諭の生き方に感動して、自然農法の実践と学問を続けている」と言う。
「まるやま農園」は、同市内に約5500平方メートルの田畑を耕作。丸山さんは妻の利子さん(71)と一緒に、水田では古代米キヌヒカリ、畑ではニンニク、タマネギ、ジャガイモ、モロヘイヤ、レタスなど多種類の野菜を無農薬で栽培。
橋本・伊都地方をはじめ大阪府下の消費者と売買契約を結び、とれた米穀類は保冷庫で管理し、必要に応じて出荷、野菜類は旬々に出荷している。また、水田については、田植えと収穫の際、消費者が稲田に集合。稲刈り体験をし、田んぼ脇で食事をして、収穫を祝う。
消費者からは「さすがに米も野菜もうまいし、みんな同じ思いで自然農法をするのが楽しい」と喜ばれている。
丸山さんは、15歳の頃から大阪府堺市内の鉄工所で働き、定年後の60歳で、兼業農家だった父の農地などで、農業を始める一方、県立紀の川高校・定時制に入学。他の生徒よりも毎日1時間多く学び、3年で卒業。同時に和歌山大学経済学部に入学、農業と学問を見事両立させ、卒業した。
高校2年の時、日中国交回復30周年記念の〝中国・南京の留学生〟に選ばれ、1か月間、中国語の研修を受けた。また、大学では若い学生たちと、様様なことをテーマに思う存分討論した。
自然農法を実践している理由について、丸山さんは「高校時代、私の担任教諭(数学)が、正しい日本の農業を実践していた。私よりはるかに若い先生だったが、その質素でゆがみのない生き方に感動したらです」ときっぱり。さらに大学院に通っている理由については「中国留学の際、ホームステイ先の男子高校生が〝外国語を身につけ、コンピュータを使いこなし、いい学校に入りたい〟と言った言葉が忘れられない」といい、「大学を出た後も、いろんな書物を読みましたが、やはり議論しないと頭に入りませんね」と笑った。
最後に「自然農法による収穫量は、一般に比べて70%程度です。それでも消費者の皆さんには、一般価格で販売するよう努めています」と、胸を張った。
写真(上)は元気で仲睦まじい丸山さん夫妻。写真(中)は丸山さんの水田で記念撮影する消費者たち。写真(下)は丸山さんの田畑のそばで昼食を楽しむ消費者たち。


更新日:2012年10月5日 金曜日 20:59

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