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国城山でモリアオガエル産卵…豊かな自然物語る

和歌山県橋本市の国城山の中腹で、県の準絶滅危惧種に指定されている〝モリアオガエル〟の卵塊(らんかい)が発見され、地域の自然環境づくりに取り組んでいる〝プロムナード国城〟代表の徳田勝治さんは、「森も空気も水も、きれいなことが裏打ちされた」と、喜んでいる。
卵塊が見つかったのは、同市西畑の国城山中腹(標高約260メートル)の柿畑。農業用水槽(縦横各2メートル、水深1メートル)の上に張り出した、柿の木の枝にからみついたキュウイの蔓の5枚の葉に、それぞれ綿菓子(直径10数センチ)のような形で、泡の塊が産み付けられていた。モリアオガエルの雌(めす)が泡の中に産卵し、雄(おす)が集まって受精を済ませた後の姿らしい。
モリアオガエルは、約10日後に孵化、泡の中のオタマジャクシは雨を待って、泡とともに水槽に落下。約1か月後に四肢が生え、尻尾が消え、カエルの姿となって、足の吸盤を使い、樹上生活を送ることになるという。
徳田さんは、現場を見回った際、水槽の一部が木材でふさがれていたため、これでは孵化したオタマジャクシの落ちる場所がないと考え、木材を除去。さらにオタマジャクシがカエルになった際、這い上がりやすいようにと、ハシゴ代わりの木を立てかけた。
徳田さんは「私は国城山中腹に住んでいますが、モリアオガエルは滅多に見かけませんでした。本来の自然の生態系に戻りつつあるようでうれしい」と語り、「最近、国城山に登る人たちが増えていますが、もしも、モリアオガエルの卵塊を見つけたとしても、どうか、そっとしておいてやってほしい」と訴えていた。
写真(上)はキュウイの葉に産み付けた綿菓子のような泡状のモリアオガエルの卵塊。写真(中)は水槽をふさいだ木材を取り除く徳田さん。写真(下)はモリアオガエルが孵化後、落下して成長する水槽。


更新日:2012年7月6日 金曜日 20:36

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