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日本一の柿紅葉の国城山~ハイカーらに人気
日本一の柿の産地といわれる和歌山県橋本・伊都地方は、今、柿という柿の葉が〝夕焼け色〟に色づき、山野は燃え立っている。ここ南海高野線・紀伊清水駅から、南の国城山に登るつづら折の坂道からは、いたるところ〝柿紅葉(かきもみじ)〟の風景が眺められ、初冬のハイカーには、たまらない魅力となっている。
柿畑は、道の両側に断続的につづき、時には柿紅葉が、道にはみ出していて、間近に見ることができる。いずれの葉もしっとりとした模様が着いていて美しい。遠くの山を見ると、山の大半は柿畑で、あとは竹薮や雑木などのたぐい。竹の緑と、柿の紅葉のコントラストがくっきりして、山々はまるで柿色の〝つぎはぎ〟をあてたように見える。
国城山は標高552メートル。山頂付近には国城神社と三平神社がある。展望棟に立つと、遠くに葛城、金剛、大峯山系の山々がかすみ、眼下には紀ノ川が流れ、パノラマ状の世界がひろがる。あれは橋本高野橋、そのたもとは伊都振興局と橋本署、右の方は市役所と公民館…といった具合だ。
この山は、10数年前に台風に直撃され、木々がなぎ倒された。国城神社は、もともと鬱蒼(うっそう)とした森の中にあったが、今は、丸裸の山に寒々と建っている。しかし当時、地元の人たちが、必死で倒木を切り出し、植樹をすすめたこともあって、山はやっと復活し、若々しい息吹を発している。
京阪神方面のハイカーの間では、葛城山や金剛山に人気が集中しているが、逆に、それらの山々を遠望できるのも国城山の魅力。さらには、遠くに紀淡海峡さへ見晴らせる。とくに、柿紅葉の季節にいたっては、「他府県では見られない、紀北路の柿山の風情」として、訪れる人たちの心を潤わせている。