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棚雲!パノラマ状に~三石山バックに郷土飾る

紀州出身の有吉佐和子さんの小説「紀ノ川」で名高い、和歌山県橋本・伊都地方を流れる紀の川の空に、長い帯状の棚雲(たなぐも)が発生して約2週間後の3月26日、今度は紀の川の北側に連なる和泉葛城連峰(いずみかつらぎれんぽう)一帯に、再び長い完璧な棚雲が生まれた。
この日、紀の川南側の国城山(標高552メートル)から北方を望むと、棚雲は、左は和泉葛城山、真ん中は三石山、右は金剛山にかけて、視界の及ぶ限り、連綿と続いている。
棚雲から抜きん出た連峰は、いずれも雲の天蓋(てんがい)をいただき、棚雲の下には、大きく蛇行する紀の川と、その流域のまちが広がり、京奈和自動車道ではトラックが、JR和歌山線では列車が、まるで玩具のように疾走している。
国城山の展望台の双眼鏡で見ると、橋本カントリークラブ近くの小高い丘には、7年前から右半身不随、言語壊滅になった妻が世話になっている特別養護別老人ホームの屋根、そこから西方約10キロの愛宕山(あたごさん)付近には、木造2階建ての私の終の棲家(ついのすみか)が見える。
きょうは午後1時過ぎ、はるかに見えるその施設で、妻の〝リハビリ&食事介助〟を済ませての帰途、ふと国城山を眺めたら、紀の川全体が分厚い雲に覆われていた。「ひよっとすれば、国城山山頂から、橋本の市街地をおおう〝雲海〟を望むことができるかも」と思い、そのままマイカーで、急坂を登ってきた。
すると、紀の川上空にあった雲は、あっけなく消えてしまっていたものの、今度は向かいの和泉葛城山、三石山、金剛山にかけて、これまで見たこともない、はっきりとした棚雲が、見渡すかぎり続いている。
思わずカメラで左から右へ、右から左へと、どんどんアングルを変えて、シャッターを切った。近くの霧状の雲につつまれた雑木林からは、まだまだうら若い鶯(うぐいす)の声が届くし、いまや満開の紅梅、白梅の匂いは、風とともに吹きあがって来る。
これまでの70年間、身勝手な生き方、勤務地の関係、家族の都合とはいえ、転々としてきた今。はるか眼下にわが棲家(すみか)と、わが妻の暮らす老人施設が霞んで見える。その二地域と、それをつなぐ車道も、そのすぐ上を棚雲に飾られていた。
棚雲のたなびく郷や梅開く
口笛で鶯まねる山の上
               (水津順風)
写真(上)は三石山をバックにした橋本市の棚雲。写真(中)は高野口、かつらぎ方面をバックにした棚雲。写真(下)は金剛山などをバックにした橋本市の棚雲の風景。

更新日:2014年3月27日 木曜日 02:53

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