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「祈り」テーマに詩歌など紹介♡水茎会書作展・開幕

和歌山県橋本市の女性書道家グループ・水茎会(みずくきのかい)主催の、第29回「水茎会書作展」が12月3日、同市教育文化会館4階で開幕した。今回のテーマは「祈り」で、会員18人が家族・友人知己らの冥福を祈る作品43点を出展し、鑑賞者の心を惹きつけている。5日(日)まで。鑑賞無料。

例えば。水茎会・元会長の後藤加寿恵(ごとう・かずえ)さんの作品「村山槐多(むらやま・かいた)の詩」は、文字とともに和紙の色模様が素晴らしい。

その色模様は、約20年前、50歳代の女性会員が描き、後藤さんに進呈して、半年後に病没したという、忘れ難い貴重な和紙である。

後藤さんは、明治・大正時代の洋画家・村山槐多の詩を選んで、その有難い和紙に

「神よ いましばらく 私を生かして おいてください 生きて居れば 空が見られ 木が見られ 画が画ける あすもあの写生がつづけられる」と記した。

また、諏訪原恵子(すわはら・けいこ)会長は、今年逝去した書・画家の防野宗和(ぼうの・そうわ)さんをしのび、「祈」の文字を大書した。

そばの説明用紙には、「水茎会のことを色々お世話下さった防野さんが旅立ってしまいました。筆を引きあげた時、線が緩まないように、それだけを思い書きました。常に線の強さを力説下さった防野さんを思いつつ」と記している。

開館時間は午前9時〜午後5時(最終日は同3時30分)。問い合わせは諏訪原会長(電話0736・32・9528)へ。

写真(上)は女性会員(故人)の描いた絵模様入り和紙に祈りを込めて筆をしたためた後藤加寿恵さんの作品。写真(中)は防野宗和さんの冥福を祈る諏訪原会長の作品。写真(下)は水茎会書作展の観覧の一幕。


更新日:2021年12月4日 土曜日 00:03

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