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かしこど通信、冊子に♡山本氏88〜ふる里知ってね
和歌山県橋本市賢堂の世界遺産・黒河道(くろこみち)入口付近に住む、「ふる里を知ろう会」の山本一清(やまもと・かずきよ)会長(88)は、橋本地方の素晴らしい歴史・文化を知ってもらおうと、冊子「かしこど通信」を発行して、同市図書館や地元関係者に寄贈した。
同冊子はA4判88ページで100冊発行。表紙は春爛漫の桜の写真で飾り、全体を紫色で装丁し、ふる里の山河や神社仏閣など、約140枚の写真を織り込んだ。編集は長女・浅井智映子(あさい・ちえこ)さんが担当した。
賢堂は、高野山真言宗の紫雲山・定福寺(じょうふくじ)周辺のまちで、山本会長は昭和63年(1988)に商社を退職後、晴耕雨読の農業生活を続けてきた。
とくに地元住民の「黒河の会」会長として働き、平成28年(2016)には、その甲斐あって見事、黒河道が世界遺産に追加登録された。
今回の冊子「かしこど通信」は、その翌年8月から毎月発行。地域住民に回覧してきた1号〜17号の記事と写真を全部収録・紹介したものである。
山本会長は、まえがきで、黒河道のことや、昨年8月には「葛城修験28宿」が日本遺産に登録されたことに触れ、「橋本市には数々の歴史遺産や文化財が埋もれています。この冊子が掘り起しの一部になれば幸いに思います」と述べている。
冊子の内容は、例えば「かしこど通信」1号で、賢堂村の地名や近世、定福寺の歴史、2号で高野領と賢堂村、3号で高野街道の常夜灯などを紹介。それぞれ丹念に調べたことを簡明にまとめている。
写真は、昭和30年(1955)1月、自宅の裏山から撮影した「橋本の市街地と紀の川」に、現在の風景写真を添えて、ふる里の今昔を感じさせている。
山本会長は「これまで毎月1回の発行は大変でしたが、一部の方々から好評をいただきました。この冊子、少しでもお役に立てばうれしいです」と話していた。
写真(上)は冊子「かしこど通信」を披露する山本一清会長=自宅庭で。写真(中)は昭和30年の「橋本の市街地と紀の川」の写真と現在の風景写真。写真(下)は掲載された賢堂とその周辺の風景写真。