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高野の花たち(200)慈尊院に夫婦愛のボダイジュ
ボダイジュ(菩提樹)は、寺院の境内でよく見かけるシナノキ属の落葉高木で、樹皮は帯紫褐色、浅く裂けています。葉は互生し、長さ5~10センチのゆがんだ三角状広卵形。日本へは12世紀に臨済宗の開祖栄西が、中国から持ち帰ったと伝えられています。
九度山町にあって、女人高野といわれ、鮮やかな多宝塔や重文の弥勒堂が建ち、高野山町石道の登山口でもある世界遺産の慈尊院境内には大きなボダイジュがあります。
同町指定文化財の天然記念物にもなっており、その案内板には「推定250年を越え、幹回り1・8メートルあって、根元から無数のひこばえが出て、この木の古さを示している。俗名は高野菩提樹ともいわれ、高野山付近に現存する唯一の記念すべき木である」と記されています。
慈尊院のボダイジュはいま、葉腋から散房状の集散花序を下向きに出し、淡黄色の花の香りを放っています。
シューベルトのお馴染みの曲「泉に添いて 茂る菩提樹・・・」と、つい口ずさみたくなる雰囲気です。この花言葉は「夫婦愛」「結婚」です。 (H記)
更新日:2019年6月11日 火曜日 22:09