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来春成人・振り袖姿も麗しく♪呉服の老舗で撮影会
室町時代の創業と伝わる和歌山県橋本市橋本の老舗(しにせ)「みそや呉服店」(国登録有形文化財)で、来年1月に成人式を迎える女性を対象にした、初めての「振り袖姿・前撮り撮影会」が行われた。女性たちは情緒豊かな日本建築を舞台にして、家族とともに楽しい雰囲気に包まれた。同呉服店コーディネーターの谷口勝彦(たにぐち・かつひこ)さん(44)は「来春、人生の大きな節目であり、きょうの写真を大切に、幸せになってほしい」と祈っていた。
「みそや呉服店」は明応4年(1495)創業とされ、当初は「味噌屋」で、今は「呉服店」。今の店舗兼住宅は、明治17年(1884)建造の木造2階建て。母屋、離れ座敷、上蔵、下蔵の計4棟あり、昨年春、駅前再開発事業に伴い、建物を修復・改築した。
この「振り袖姿・前撮り撮影会」は、成人式を来春に控えた女性とその家族らをプロ・カメラマンが丹念に撮影。豪華な「デザインアルバム」(カラー写真約40枚)を作り、成人式の後で手渡すという企画。平成22年(2010)から開始し、すでに計約500人が参加しているが、今の日本建築(店舗兼住宅)での撮影会は初めて。
この日、橋本市在住の大学2年生・垣花真穂(かきはな・まほ)さん(19)ら、来年1月13日に県立橋本体育館での成人式に出席する女性5人が参加した。
白い髪飾りに花模様の振り袖姿で現れた垣花さんは、同呉服店の暖簾(のれん)が風に揺れる玄関先や、框(あがりがまち)の座売りの畳の間、灯籠と紅葉がきれいな中庭などを巡り、屋内では唯1人で、玄関先では家族5人とともに撮影に臨んだ。
両親や祖父母らは「振り袖がよう似合うなあ」「きっといい記念になるよ」とやさしく見守り、垣花さんは「とてもうれしいです。大切な節目には、着物がいいと思いました」と、笑顔に心が満ち溢れていた。
さらに橋本市役所前の店舗「beare by Misoya」でも、同じ撮影会があり、約30人が参加した。同呉服店ではデザインアルバムとは別に「みそや呉服店の振袖 家族愛 新聞」(A3判・4ページ、1000冊)を発行。今回の写真や文「家族の思い」を掲載して、着物の大切さをアピールすることにしている。
写真(上、中)はプロ・カメラマンに写真撮影してもらう垣花真穂さん=(上)は「みそや呉服店」玄関先、(中)は店内・座売りの框(あがりがまち)で。写真(下)は玄関先で家族と共に写真撮影してもらう垣花さん。