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橋本秋祭り〝やり回し〟勇壮!15日だんじり宮入り
和歌山県橋本市の市街地周辺の「秋祭り」は、10月14日(土)に宵宮、翌15日(日)が本宮。宵宮は市内3神社の関係11区11基のだんじりが、同市保健福祉センター前までパレード、勇壮にやり回しを繰り広げた。本宮では各神社にだんじりが宮入りして、五穀豊穣に感謝・祈願する。
この「秋祭り」は橋本だんじり協議会=嶋貢博(しま・みつひろ)会長(43)=主催。だんじり11基は、各地域から次々出発。同センター前交差点では、「ソーリャ、ソーリャ」の掛け声も威勢よく、だんじりを急角度で方向転換する〝やり回し〟を繰り広げ、見物客が楽しそういにスマホ撮影していた。
とくに珍しいのは「橋本の舟楽車(ふなだんじり)」(和歌山県無形民俗文化財)で、胡弓(こきゅう)や三味線、太鼓をゆったり演奏しながらパレード。東家の「天保の地車(だんじり)」は1840年(天保11)6月、地車の本場、大阪府岸和田市中町で新調。彫刻は「浪速彫刻」の名門・花岡源助(はなおか・げんすけ)らが施し、正面の「素戔鳴尊(すさのおのみこと)の大蛇退治」や、車板の「鷲(わし)と猿」など、迫力満点の最高傑作である。
市脇の「堺型・地車」は、幕末・明治初期の大阪・堺の彫り師・西岡弥三郎(にしおか・やさぶろう)が制作。「源頼朝の富士の巻き狩り」など、地車全体が彫刻に覆われている。今は泉州から購入した地車に引き継がれ、大切に保存。本宮では晴れている場合、相賀(おうが)大神社境内に展示し、雨の時は地車小屋の扉を開放して披露することになっている。
本宮では東家、市脇の地車が相賀大神社へ、小原田、古佐田、原田、胡麻生、橋谷、北馬場、橋本、妻の地車は胡麻生(ごもう)八幡神社へ、御幸辻は牛頭天王社へ宮入りする。
このうち市脇、胡麻生、小原田、原田の地車は、同センターまでパレード。盛大に〝やり回し〟を繰り広げることになっている。
嶋会長は「厳しい少子高齢化の中、みんな心一つにして、秋祭りを盛り上げています。楽しくご覧ください」と話していた。
写真(上)は大工方が大屋根で飛び跳ね〝やり回し〟に挑む地車。写真(中)は和歌山県有形民俗文化財の舟楽車。写真(下)はJR・南海橋本駅前を練り歩く提灯飾りの地車。