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橋本地方の環境安心♪分析研究企業が進出調印
水質や大気などの環境分析・研究専門の株式会社ケイ・エス分析センター=浅野昭(あさの・あきら)社長(61)大阪府富田林市=が、和歌山県橋本市の紀北橋本エコヒルズ「紀ノ光台」へ進出することになり、6月19日、橋本市役所で浅野社長と平木哲郎(ひらき・てつろう)市長との間で「進出協定調印式」が行われた。これにより行政と市民が、郷土の自然環境に厳しく目を光らせれば、地元に環境分析企業があるので、ゴミの不法投棄など「環境汚染は防止できる」と期待される。
同社は平成3年(1991)9月、富田林市錦織南に設立。資本金1000万円。正社員21人、非正社員28人。業務内容は水質分析、大気測定などの各種分析で、取引先は大学や自治体など約1500か所。売上高は同26年度6月期で4億4600万円。
進出内容は、グループ企業「ケイ・エス テクノロジー」という社名で、今年9月操業を目指し、紀ノ光台に平屋建物(事務室兼研究室、139平方メートル)を設立する計画。環境分析、各種分析方法など研究開発を行う。新規地元雇用予定は11人(分析補助員)で、投資額は約5100万円としている。
この日、市長応接室に浅野社長や平木市長、中本正人(なかもと・まさと)市議会議長、市幹部らが参集。浅野社長と平木市長の間で進出協定に調印の後、平木市長は「当市への企業進出協定は、貴社で30社目になる。雇用促進や経済促進につながるのでうれしい」と挨拶、中本議長とともに謝辞を述べて、地元の名産・紀州へら竿(国の伝統的工芸品)を贈呈した。
これに対し、浅野社長は「当社は今年で創業満24年になり、さらに拡大路線を進めたい。そのためには本社と別の場所で、事業所も別組織にする必要があり、本社に近いうえ、どことなく最も魅かれる橋本市を選んだ。本社に負けない会社にしたい」と挨拶した。
また、懇談会で浅野社長は、「私たちは(お世話になる)富田林市、そして橋本市では、河川の環境調査など、あくまでもボランティアで行いたい」と説明。市内に大規模なゴミ焼却場や浄水場などを抱える平木市長は、「それは心強い。よろしくお願いします」と礼を述べていた。
橋本市企業誘致室の話では、平成17年(2005)8月、当時の木下善之(きのした・よしゆき)市長が、「企業誘致で雇用促進を図り、経済基盤をつくりたい」として、市役所に商工支援室(現・企業誘致室)を設置。「紀北橋本エコヒルズ」は、市北部丘陵地(約150へクタール)を開発造成し、企業用地(南海電鉄、UR都市再生機構、橋本市所有)は86ヘクタールにのぼる。
今回のケイ・エス分析センター進出協定により、橋本市内への進出協定数は30社、うち操業開始済みは22社。昨春、平木市長が就任後した後も、4社が進出協定し、1社が操業開始している。
同市は、企業誘致を促進するにあたり、固定資産税については進出企業に対し、向こう10年間、税額の60%を交付する優遇措置をとっているが、操業10年後からは、既存企業と同じく100パーセント税収を確保することになり、将来の市財源を支えるとともに、雇用促進・維持にもなるとしている。
写真(上)は進出協定書に調印する浅野社長=手前=と平木市長。写真(中)は挨拶する浅野社長。写真(下)は挨拶する平木市長。