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古代社会の「東家」見えてくる~遺跡の出土品展示

和歌山県橋本市東家の元・橋本小学校グラウンド跡で発掘された東家遺跡(とうげいせき)を紹介する企画展「モノから見た古代社会」が、同市野516の考古学資料館「あさもよし歴史館」=大岡康之(おおおか・やすゆき)館長=で開かれている。昨年の調査で東家遺跡は、弥生時代から室町時代までの〝複合遺跡〟と確認され、大岡館長は「郷土の古き時代に思いをはせ、郷土の歴史に誇りをもってもらえたら」と言っている。会期は3月31日まで。入場無料。
橋本市教委と同市遺跡調査会は昨年2月、元・橋本小学校グラウンド跡で、すでに昭和58年に行った第1・2次調査に続き、第3次調査を実施した。
現場は北から南に向かって、まるで舌を出したような形の「舌状台地(ぜつじょうだいち)」。これまでは、古墳時代中期~後期の竪穴住居(たてあなじゅうきょ)跡、室町中期の大溝(おおみぞ)跡を発掘したが、第3次調査では、さらに古い弥生時代中期の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)と竪穴住居跡、中国大陸や朝鮮半島ゆかりの竈跡(かまどあと)、土器類などを発掘。同時に南北朝時代の中央派遣武士の拠点「東家館(とうげやかた)跡」と推定される大溝(おおみぞ)や、掘立柱穴群(ほったてちゅうけつぐん)などの遺構も確認した。
企画展では、沢山の出土品の中から、高坏(たかつき)や鉢(はち)、壺(つぼ)など計52点を展示し、周溝墓や住居跡の写真を紹介。解説文も掲示している。大岡館長は「第3次調査で、弥生時代まで、歴史をさかのぼることができた。この舌状台地で約2000年にわたり、人々が暮らしてきたことを想像してほしいです」と述べ、考古学者の冨加見泰彦(ふかみ・やすひこ)さんは「東家遺跡の出土品から、朝鮮半島との文化交流が盛んだったことが証明されました。できれば家族連れで来られて、とくに子供たちには、弥生・縄文時代の土器類を直接見てほしい」と話していた。
あさもよし歴史館の開館は午前9時~午後5時。月曜と祝日の翌日は休館。問い合わせは同歴史館(電話=0736・33・0211)。
写真(上、下)はあさもよし歴史館で開かれている企画展「モノから見た古代社会」。写真(中)は整列した掘立柱穴群を見学する大勢の参加者たち=昨年3月2日、元・橋本小学校跡(ぐらうんど)で。


更新日:2015年1月18日 日曜日 00:00

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