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「笑顔に支えられて」出版~リハビリ橋本・田倉理事長

和歌山県橋本市柱本に約31年前、県内初の障害者療護施設「リハビリ橋本」を創設した社会福祉法人・ゆたか会の田倉妙子(たくら・たえこ)理事長(86)が、自叙伝「笑顔に支えられて~涙と汗の奇跡~」(A5判、191ページ)を出版した。田倉さんは前書きに「良き人々との出会い 我れ先ず 咲いて見せよう 梅の花」と記し、「将来も障害者支援にささげたい」と張り切っている。
田倉理事長は昭和58年(1983)5月、社会福祉法人として県内初の障害者療護(現・支援)施設「リハビリ橋本」を開設。今は長女の上好久子(うえよし・ひさこ)さんが施設長、二女の宮井慶子(みやい・けいこ)さんが〝音楽療法〟を担当。介護士、看護師、事務職など計約60人で運営し、約100人の介護支援に尽くしている。
田倉理事長は、かつらぎ町出身で、笠田高等女学校を卒業。昭和22年(1947)に橋本市慶賀野の材木商・田倉豊(たくら・ゆたか)さんと結婚。豊さんは同49年(1974)、古里で〝温泉掘削〟に挑んだが、心筋梗塞により急死。
その悲しみを克服しながら、田倉理事長は、湧出した冷泉で加温・ろ過・循環式の保養センター「紀伊見温泉 ゆたか荘」を開設した。この時、障害者の姿を見つめて、「もっと社会に役立ちたい」と奮起、「リハビリ橋本」創立に挑んだという。平成22年に藍綬褒章を受章。昨年11月には、創立30周年記念式典を開催。知事や市長、障害者の家族から称賛された。
自叙伝「笑顔に支えられて~涙と汗の奇跡」の文字は、田倉理事長の直筆で、ピンク色のコスモスの装丁。中身は藍綬褒章受章時の晴れやかな正装姿や、戦時中の厳しい女学生姿などを紹介。第1章「豊かな自然の中で」から第12章「理事長が新たな挑戦 創立30周年を終えて」まで、その波乱万丈の人生について、簡潔明瞭な文章で紹介している。
また、単に施設運営の苦労話だけでなく、「前畑選手に演技を披露」の項では、田倉理事長が妙寺尋常小学校の頃、プール完成式に、郷土出身のベルリンオリンピック水泳200メートル平泳ぎ・金メダリストの前畑秀子(まえはた・ひでこ)さんが来賓出席。
田倉理事長は当時、全国水泳大会・自由形で優勝していて、この時、模範演技児童に選ばれ、扇子2本を持って泳ぎながら、プール中程で待つ前畑さんに近づき、背泳ぎの前畑さんの両足の指の間に、扇子を広げてはさんだという、歴史的な経験も紹介している。
今回の自叙伝出版に際して田倉理事長は、大腿骨骨折などの不慮の出来事が重なり、執筆は約3年がかりとなったが、今回やっと300冊(非売品)を出版することができた。
日頃、世話になっている施設職員や慰問に来てくれるボランティア、福祉関係者に手渡し、今後、図書館などにも配布する予定。田倉理事長は「あとがき」で「残された人生を、福祉と共に、生き抜いてまいります」と力強く締めくくっている。
自叙伝についての問い合わせは「リハビリ橋本」(電話=0736・37・5800)へ。
写真(上)は出版された「笑顔に支えられて~涙と汗の奇跡」を披露する田倉理事長=理事長室で。写真(中)は出版された田倉理事長の自叙伝。写真(下)は「リハビリ橋本」をバックに「さらに充実をさせる」と誓う田倉理事長。

更新日:2014年11月3日 月曜日 00:00

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