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仲間と踊ろう郷土の夕べ~最多23連300人盆踊り

日本情緒たっぷりの第40回「仲間と踊ろう郷土の夕べ~盆踊り大会」(同実行委員会主催)が、和歌山県かつらぎ町中飯降の紀北青少年の家・つどいの広場で開かれた。今回は仁坂(にさか)和歌山県知事ら、来賓や踊り連の参加者数が過去最多となり、同大会の立役者・大倉一磨(おおくら・かずま)さんの一人娘・美邦(みほう)さんが、音頭取りを引き継ぐなど、素晴らしい盛り上がりを見せた。実行委員で司会役を務めた橋本市盆踊り連絡協議会・前会長の高崎正紀(たかさき・まさき)さんは「少子高齢化とはいえ、この盆踊りを支える若者パワーは大きく、前途洋々としています」と話した。

この盆踊りは昭和49年(1965)、第1回大会を開催した。その目的は、昔から橋本・伊都地方に伝わる盆踊り音頭「やっちょんまかせ」「かわさきおどり」の2曲(作詞・作曲者、制作年代不詳)を伝承することで、元・小学校教諭で紀北青少年の家職員の大倉一磨さんら有志が実践。紀の川筋の人たちに、「盆踊りなら、ココが一番!」と、親しまれてきた。

大倉さんは、同地方では名高い音頭取りで、10年前には高齢化のため引退したが、その弟子・角濱功治(かどはま・こうじ)さんが立派に受け継ぎ、さらに昨夏からは、大倉さんの娘・美邦さんが加わっている。

8月30日夜、紀北青少年の家・つどいの広場には、四方に竹笹を立て、高い櫓(やぐら)を組み、幾つもの提灯(ちょうちん)をぶら下げ、踊り場の周囲には、綿菓子や金魚すくい、たこ焼きなどの店が林立した。

仁坂知事や国会、県会、市町議会の各議員、橋本・伊都1市3町長、県市町幹部職員ら来賓20数人が祝辞・挨拶。沢山のホタルが空中を飛び交う中、プロの江州音頭取り・幸玉(こうぎょく)さん、浪曲師の泉敏栄(いずみ・としえ)さん、それに角濱さん、美邦さんらが太鼓、三味線、囃子(はやし)に合わせて音頭を取った。

参加した踊り子は、南新町盆踊り友の会、民謡サークル「花道」、プリンナー、鼓踊会(こようかい)など、計23連の踊り子250人と、一般参加の約50人の計約300人にのぼる。櫓を軸に五重、六重の輪になって、「やっちょんまかせ」はもちろん、橋本、高野口、かつらぎ、九度山の各音頭、さらに高野山の「大師音頭」、全国に名高い「炭坑節」や「串本育ち」など、心にしみる12曲を踊った。

途中、すべての電灯、提灯明かりを消して、花火が打ち上げられ、櫓の空に大輪の花が開くと、踊り子も見物人も、「わあすごい」と大きくどよめいていた。

高崎さんは「私は、昔、大倉一磨さん、10年前からは角濱さん、今は美邦さんにお囃子を入れています。きっと大倉さんもそうでしょうが、この若手への確実な引き継ぎが、とてもうれしいです」と話し、「もちろん、ゆったりとした伝統の〝やっちょんまかせ〟は大切です。同時に、それを早いリズムの〝紀の国やっちょん〟にアレンジした、若い人たちの威勢のいい盆踊りにも、感心しています」と喜んでいた。

写真(上)は父の音頭取りを引き継いで「かわさきおどり」をうたう大倉美邦さん=右=と囃子を入れる高崎さん=左=。写真(中)は大倉さんの音頭に乗って踊る着物姿の踊り子たち。写真(下)は幸玉さんの江州音頭を踊る踊り子たち。


更新日:2014年9月1日 月曜日 00:00

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