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龍神村の山路紙~奥野夫妻・和紙芸術展~ヒロ画廊

和歌山県田辺市龍神村の山路紙(さんじがみ)を再興した和紙作家・奥野誠(おくの・まこと)さん(61)・佳世(かよ)さん(63)夫妻による「龍神村の山路紙 二人展」が6月6日、同県橋本市学文路861の「ヒロ画廊」で始まった。同画廊の廣畑政也(ひろはた・まさなり)代表は「自然の恵みから生まれる和紙を、見事な芸術に昇華させた作品です。ぜひ、ご覧ください」と言っている。15日(日)まで。入場無料。

奥野さん夫妻は、もともと東大阪市在住で、誠さんは造形作家・美術学校講師、佳世さんも画家で高校の美術教員だったが、昭和59年(1984)、廃校舎の活用により〝村おこし〟を目指す「龍神国際芸術村」の村長から誘いを受け、その〝村おこし活動〟に魅かれて移住した。

龍神村では、江戸時代から山路紙を漉(す)いていたが、戦後間もなく途絶えてしまったことを、龍神村の「村誌編纂」の草稿から知り、「地元には和紙の原料・楮(こうぞ)が豊富にある。伝統のある山路紙を復興させたい」と決意。紙漉きのコツや、紙漉き道具などについて、先人から教わり、やがて自ら紙漉きを実践して山路紙を復活、さらに和紙芸術へと発展させた。

今回の作品は、誠さんが約60点、佳世さんが約20点を出展。例えば、誠さんの作品「海」は、クジラが大らかに遊泳する雄姿(体長約3メートル)をかたどり、天井から吊るしている。

作品「たくさん実った」は、1本の大樹が、水をたたえた大地に根をおろし、天に向かって枝を張り、果実やオオカミ、三日月が見える。楮(こうぞ)の繊維を細工した「球体」や「立方体」、さらにオオカミや波模様を入れた、はがき作品などもある。

また、佳世さんの作品「春夏秋冬」は、同じ大きさの4枚の作品を並べ、その1枚1枚から、春ののどかさ、夏の涼しさ、秋の鮮やかさ、冬の寒さを感じさせている。

廣畑代表は「奥野さん夫婦は、龍神村で活躍されている感性豊かな作家です。本日、河内長野(大阪府)から来られた、3人の家族連れは、天井のクジラ作品に感動し、『これはいい』といって、早速お求めになられました」と説明。「この画廊の前庭には、この季節、時折数匹のホタルが現れます。会期に華を添える、やさしい光になれば幸いです」と話していた。
開館時間は午前11時~午後6時。作家在廊日は7(土)、8(日)両日の予定。

場所は学文路小学校の西隣。南海高野線・学文路駅下車、東へ徒歩約8分。産直市場「やっちょん広場」から車で約5分。問い合わせはヒロ画廊(0736・32・8320)。

一方、奥野さんは、田辺市龍神村安井269の1の工房で、希望者に「紙漉き体験」を実施。体験料は1人3000円(材料費込み、所要時間3時間、要予約)。自宅=0739・78・0185 工房=0739・78・2228。

写真(上)は天井付近を泳ぐ作品「海(クジラ)」と、作品を讃える廣畑代表。写真(中)は佳世さんの作品「春夏秋冬」。写真(下)は誠さんの作品(左から)「たくさん実った」「立方体」「球体」。

更新日:2014年6月7日 土曜日 00:18

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