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大雪、橋本で25センチ~雪景色最高~交通は戦い

日本列島が大雪に見舞われた2月14日、和歌山県橋本・伊都地方でも、高野山で約45センチ、山麓の橋本市で約25センチの積雪となった。交通機関は大幅に乱れ、市民生活に大きく影響が出た反面、国城山や紀の川流域は、一面銀世界となり、子どもたちは雪遊びに大はしゃぎ。約30年ぶりの〝圧巻・雪景色〟を呈した。
高野山麓・橋本新聞の取材では、午後2時頃、高野山・奥の院付近で45センチ、橋本市の山間部・狼頭峠(ろうずとうげ)付近で32センチ、橋本市役所周辺で約25センチの積雪となった。
この日、市内を走る京奈和自動車道や、国道371号線・市脇交差点北行きなどが通行止め、JR和歌山線・粉河~五條間が一時不通。橋本駅では大勢の乗降客が、迎えの家族の車に次々と乗っていた。市内各地の国道、県道、市道わきでは、動けなくなった車が放置され、さらに雪に覆われる始末。トラックやタクシーは終日、チェーンの音をさせて走っていた。
県内最大級の特別養護老人ホーム「ひかり苑・天佳苑」(同市隅田町)では、早朝、看護師や介護士、栄養士らが、大雪と戦いながら、続々と出勤。途中、動けなくなった車を置いて、徒歩で施設へたどりつく職員らが、さっそく高齢者の世話に走り回っていた。堀畑光久(ほりはた・みつひさ)理事長は「施設は入所者第一。みんなプロ根性を持って、やってくれている」と胸を張る。
フォトライター・北森久雄さんは、大雪の駅の写真を撮ろうと外出。「南海高野線・御幸辻駅前や林間田園都市駅前では、帰宅途中の高校生が雪ダルマをつくっていたし、JR橋本駅構内では、各ホームに電車が停車中で、電車もレールも深々と雪に覆われていた。橋本では滅多に見られない光景です」と話した。
橋本市役所近くの居酒屋「美志麻(みしま)」の三嶋崇(たかし)さんは、この日曜日に届ける弁当の大量注文を受けている。「そこで、鮮魚を仕入に大阪の木津、東部市場へ行こうと、車で国道371号線・紀見トンネルを抜けたが、残念ながら大阪方面は通行止め。仕方なく和歌山市回りはどうかと、携帯で知人に聞いたところ、〝大阪・和歌山の両府県境は、通行できない〟という。さて、どうしたものか」と首をひねった。
やどり地域振興協会理事長の上西進さんは、「こんな大雪は珍しい。狼頭峠へ行く途中、2つの池に薄氷が張っていて、その上に雪が積もっていた。雪の玉川峡も見事ですが、山の池の雪景色も素晴らしいですね」と話した。
橋本駅近くの居酒屋「美福(みふく)」では、雪の中、赤提灯をくぐる常連客が、「橋本では約30年ぶりの大雪」「今夜は、ここまで息子が車で送ってくれた」「こんな時は、熱燗(あつかん)に限る」「明日は雪も雨で解けてくれるやろ」などと、雪に話が弾んでいた。
写真(上)は橋本市の紀の川(橋本橋)流域の雪景色。写真(中)は14日正午過ぎのJR・南海「橋本駅」前の光景。写真(下)は大雪の中、看護師や介護士らが出勤、高齢者の世話を行った特養施設「ひかり苑・天佳苑」。


更新日:2014年2月15日 土曜日 00:00

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