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いい仕事を、いい人生を~紀北工高で企業説明会
高校生を対象にした〝産業人材育成〟をめざす企業説明会が、12月13日、和歌山県橋本市の県立紀北工業高校(中前耕一校長)で開かれ、同校2年生の約150人が、橋本・伊都地方など県内20企業の担当者から、会社概要や特徴などを聞いて、進路選択の知識を得ていた。
これは和歌山県の「わかやま産業を支える人づくりプロジェクト」の一環で、同校を含む和歌山工業高校、箕島高校、紀央館高校、田辺工業高校の計5校の生徒を対象に実施。
この日、紀北工業高校の体育館に20ブースを設営。各社の会社概要や事業内容、設立時期、社員構成、仕事内容、会社の特徴などの紹介パネルを掲示。各社の社長や社員らが説明を担当した。
開会式には同校機械科、電気科、システム化学科の生徒たちが参加。司会進行役の同校進路指導部の野田幸哉部長が、「先ず、自分がそこで働くことになったら、どうだろうかという観点から、しっかり質問してください」と話し、参加企業を紹介した。
中前校長は「きょうから生徒と企業が密接な関係になり、キャリア意識を高めてほしい」と期待の言葉を述べ、和歌山県商工観光労働部の西山甚一・労働政策参与は「このプロジェクトは、109社の協力を得て実施しています。皆さんは県内企業の生産活動や、生産技術の内容に触れて、将来を考え、やがて県内企業で働いてくれたらうれしい」と挨拶した。
この後、生徒たちは1人4社ずつ、各ブースを巡回。例えば「妙中パイル織物株式会社」(橋本市高野口町)では、生徒たちにパイル織物を披露し、その製織、染色、仕上加工の仕事内容を説明して、「60余年の技術の蓄積とノウハウを持ち、このパイル織物は世界中で弊社しか作れない」とアピール。
「株式会社 松谷佛具店」(橋本市妻)では、生徒たちを前に伝統の高野位牌、京都位牌の手彫り技術を実演。「今では〝まつたに位牌〟という高級ブランドとなり、地域の専門店として、寺院や人々から支持されています」と紹介。生徒たちは真剣な表情で、メモをとりながら、耳を傾けていた。
会場中央では、同校の「ものづくりの取り組み」を紹介。2015年わかやま国体で使われる大会マスコット「きいちゃん」をのせた「投てき物運搬機(リモコンカー)」、来年1月にジャパンマイコンカーラリー全国大会に出場決定したマイコンカー、南海高野線・学文路駅を飾っているイルミネーション「ウェル学文路~ど」などを展示。生徒たちのチャレンジ精神の逞しさや、技術水準の高さを見せつけていた。
野田幸哉部長は「きょうの目的は人材育成、つまり生徒たちは、各企業の仕事を学ぶことですが、卒業後の進路として、この企業で働けばどうかという観点に立ち、企業を知ってもらえたらいいと思う」と期待していた。
写真(上)はパイル織物について学ぶ生徒たち。写真(中)は2015わかやま国体の投てき物運搬機(リモコンカー)やソーラーカー「よろしく紀北」などの展示物。写真(下)位牌の手彫り技術を見学する生徒たち。