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連載「橋本を彫る~巽好彦の世界~」その①

平成25年元旦。美しい山河と古い家並みのある町。日本板画院同人・巽好彦さん(77)=和歌山県橋本市妻=は、今年も静かに、その古里・橋本をみつめる。歳月とともに残る町並みと、消える町並み。「その伝統的な風景を、後世に伝えたい」と思い続ける。ふかく橋本を愛し、約40年間にわたって、古里の風景を木版画にしてきた巽さん。新春は、橋本の繁栄を祈り、連載「橋本を彫る~巽好彦の世界」と題して、その作品の一部を紹介しよう。
《清水の家並み》
清水は高野街道に沿った民家が並ぶ。ほとんどは、新しい家に改築されて、新しい町並みが出来ている。なかでも大庄屋・菅野家の構えは別格。その家並みの中で、西行堂や鎌不動堂が、江戸時代の街道の面影を残しているように見える。とくに豊島家の大きさ、煙出しの屋根、格子などに、職人技のすごさが垣間見える。伝統的な町並みは、いつまでも残してほしい。
《一里松の跡》
川原町にあった一里松。伊勢街道に沿って植えられ、旅人の心を宿した松も、昭和20年頃に枯れ、姿を消した。名ばかりが残った橋本の一里松。散髪屋さんの屋根越しに、大きな枝がかぶさっていた、その名残の碑が、裏の神社の中にある。散髪屋さんといえば、鼻眼鏡越しにバリカンで頭を刈っていたが、それも今は遠い日の思い出に。
(木画・文=巽好彦さん)
写真(上)は木板画の製作に励む巽さん。写真(中)は巽さんの木板画「清水の家並み」。写真(下)は巽さんの木板画「一里松の跡」。


更新日:2013年1月1日 火曜日 02:23

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