ニュース & 話題
郷土に貢献・半世紀…「橋本一世の会」記念式典
会員同士の親睦を図りながら、地域社会に貢献しようと、昭和37年(1962)に和歌山県橋本市の起業家たちが組織した「橋本一世の会」の〝創立50周年記念式典〟が5月26日、橋本市市脇の橋本商工会館で開かれた。
「橋本一世の会」会員は、この半世紀、会員同士の連携を深め、産業振興に尽す一方、独り住まいの高齢者宅に消火器、福祉施設へは医療ベッドや鳴子(リハビリ用)を贈呈。橋本商工会館(鉄筋9階建て)の建設を推進し、紀ノ川河川敷に花壇を作り、橋本市民病院には竣工石碑を建立、国道24号に交通安全スローガン看板を設けるなど、多岐にわたる奉仕活動を実践してきた。
この日、同会館5階で開かれた記念式典には、「橋本一世の会」から加隈隆照会長ら会員12人、来賓として仁坂吉伸・和歌山県知事や木下善之・橋本市長、市議会議長、県議会議員、伊都振興局長、橋本警察署長、橋本商工会議所会頭らが出席した。
初めに物故者に黙祷し、国歌と会歌を斉唱。加隈会長が「昨年は東日本で大震災、県内では紀南中心に台風災害がありました」と被災地へのお見舞いの言葉を述べた後、「和歌山県は台風通過地域であり、近い将来には南海、東南海大地震が起きると心配され、防災リーダーの養成が急務となっています」と説明。「当会の創立50周年記念事業として、防災士の受講料や合格承認料の一部助成をさせてもらうことに決めました」と話し、「こんごも地域の連携を深め、先人の思いを大切にします」と誓った。
仁坂知事は、橋本地域の発展に、幹線道路の重要性を強調した後、「和歌山国体(平成27年)までに京奈和自動車道(和歌山市方面)や、紀ノ川南岸の広域農道を完成させ、国道371号(橋本市側)も、来年度中に完成させたい」と話し、「私も一世の会の創立時のような心で頑張りたい」と、祝辞を述べた。
木下市長は、橋本市の人口が毎年520~530人も減少中であることを説明したうえで、「教育、福祉行政を大事にするのは当然ですが、私はとくに企業誘致、観光客誘致の行政を進めています。多くの人々に住んでもらい、県外からは多くの観光客が宿泊して、名所旧跡を見てもらう。昼間人口も増やして、活力のあるまちにしたい」と抱負を語り、「橋本一世の会」のさらなる飛躍を願った。
この後、同会館8階の大広間に場所を移して〝祝宴〟が催され、全日本戸山流居合道協会・橋本道場館長で教士7段の加隈会長が、巻藁(まきわら)の試し切り演舞を披露し、喝采を浴びた。会員らは「この半世紀、先輩たちは高度経済成長の主役となり、地域に貢献してきた」「今は亡き先輩たちも、若かった私たちを随分とかわいがってくれた」と、昔話に花が咲き、心を新たにしていた。
「橋本一世の会」会員は次の皆さん。板橋商店=板橋幸治、(有)大谷家具店=大谷準之助、(有)バッキーズ=加隈隆照、小林板金塗装=小林賢一、境和技建(有)=坂本茂樹、(有)武田造園=武田勝、割烹 勝一=中西修、中村工務店=中村文範、(株)中山組=中山恵照、(株)冷水製材所=冷水定男、(有)永和工芸=廣畑善生、社会福祉法人光誠会=堀畑光久。
写真(上)は「橋本一世の会」創立50周年記念式で祝辞を述べる仁坂・和歌山県知事。写真(中)は創立50周年記念式典に参加した「橋本一世の会」会員ら。写真(下)は「橋本一世の会」の活動を記した冊子の写真紹介部分。