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激流、紀ノ川鉄橋の川底えぐる~高野線不通続く
台風12号の影響で和歌山県橋本市の南海高野線・紀ノ川鉄橋に不具合が生じているが、9月15日、南海電鉄の調査で「鉄橋の橋脚周辺が掘られた状態」になっていることが判明した。同電鉄ではさらに調査を進め〝仮復旧計画案〟の策定を急いでいるが、今のところ復旧時期などの見通しは立っていない。
南海高野線は、難波~橋本~極楽橋(電車)~高野山(ケーブルカー)を走るルート。台風12号が接近した際、豪雨のため上流の奈良県・大迫ダムが放流、増水。9月5日午前9時ごろ、極楽橋発難波行きの電車の運転士が、鉄橋を渡っている際、車輪の異常音に気づいた。レールは肉眼でもわかるほど、「く」の字形に曲がっていた。
鉄橋は全長217.メートルあり、橋脚は基礎部分を鉄筋コンクリートで固め、その上に石積みで構築されている。同電鉄が調査した結果、橋本駅側(北岸)から3本目の橋脚が、東側(上流側)に最大約60ミリ、線路が同様に最大約12ミリずれていることがわかった。
このため、現在、橋本~紀伊清水間で運休。紀伊清水~極楽橋~高野山間で折り返し運転を実施。橋本~紀伊清水間は、小型バスで振り替え輸送。特急「こうや」は、橋本~極楽橋駅間で運休(難波~橋本駅間は運転)、天空は全区間で運休している。
その後、水位が低下したので、鉄橋の河床周辺を調査した結果、ずれていた鉄橋の基礎部分の川底が掘られた状態になっていることを確認した。激流のため川底がえぐられたらしい。
同電鉄では、河床の状態を分析するとともに〝仮復旧計画〟について検討中で、計画案が固まり次第、河川管理者などと協議し、復旧作業に入ることにしている。
(写真はフォトライター 北森久雄さん撮影)