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団地「避難勧告」は解除~ダム放流で警戒2号体制に
台風12号は3日午前、四国・高知県に上陸し、和歌山県橋本市の災害対策本部は、市内全域の防災、被害調査、警戒にあたった。この雨台風の影響で、〝JA紀北かわかみ〟の産直市場「やっちょん広場」や、紀陽団地などが浸水寸前の状態になったが、橋本消防署や地元消防団が、必死の排水作業を展開し、浸水を防いだ
同市岸上の「やっちょん広場」は、すぐ北側を流れる紀ノ川が増水し、支流の樋門を閉鎖。北側の高台方面から排水溝を通じて雨水が集まり、低地にある同建物の駐車場は水浸しになった。このため、消防車約10台が出て、溜まった水をポンプアップ、紀ノ川に向けて排水した結果、駐車場から完全に水が引いた。
また、同市は3日未明、同市学文路の大谷川の水があふれたため、紀陽団地の住民に「避難勧告」を出した。住民38人が地元の学文路小学校と、防災センターに一時避難したが、午後には浸水の恐れが少なくなったため、次々と帰宅した。
大谷川河口では、午前中、担当2人が紀ノ川と大谷川の水位を見比べながら、樋門の開閉を調節。消防車7台が出動して、増水する大谷川の水をポンプアップ、ホースで紀ノ川へ排水を続けた
同対策本部は午後4時、紀ノ川の水位が低下し、流域の浸水などの心配も遠のいたため、同本部を解散して、警戒体制第1号(約10人)に切り替え、紀陽団地に出していた「避難勧告」を解除した。
午後11時には、奈良県・大迫ダム放流の水位上昇に伴い、警戒2号体制(約50人)に体制を強化した。市では「現段階では、心配の必要はない。今は、放流量と水位変化を見守っている」と言っている。
一方、和歌山県伊都振興局によると、かつらぎ町大藪で、紀ノ川の水位上昇に伴い、これに注ぐ桜谷川の樋門を閉鎖したため、付近の住宅2棟が床上浸水、鉄工所1棟が床下浸水した。同町兄井でも用水路があふれ、住宅2棟が床下浸水した。