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橋本・嵯峨谷の活性化へ!市や大阪芸大など覚書調印

「嵯峨谷(さがたに)の神踊(こおど)り」で名高い、和歌山県橋本市高野口町の山間部にある嵯峨谷地区――。高齢・過疎化が進む中、地元住民でつくる嵯峨谷縁(えにし)の会と大阪芸術大学、県、市は9月9日、地域振興に関する「山(さん)・官・学連携」の覚書の締結式を行い、この歴史的な山里の活性化に尽力することを誓い合った。
同地区は市の北西端を流れる嵯峨谷川沿いで、農林業を軸に44世帯135人が在住。四季の山川はもちろん、石垣を築いた棚田の風景も素晴らしい。
とくに若宮八幡神社前で、毎年8月15日、家内安全や五穀豊穣などを祈って繰り広げられる「嵯峨谷の神踊り」は、室町時代からの伝承行事とされ、同県無形民俗文化財に指定されている。
平成18年(2006)からは、地元住民らがホタル観賞会やハイキング開催などにも力を入れたが、少子・高齢化による将来不安が高まり、同市にふる里活性化の方法を相談。今年度の国の「過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業」に採択されている。
この日、市庁舎3階で平木哲朗(ひらき・てつろう)市長、伊都振興局の南木芳亮(なんき・よしあき)局長、嵯峨谷縁の会の吉田耕平(よしだ・こうへい)会長、大阪芸術大学の塚本英邦(つかもと・ひでくに)副学長が、「嵯峨谷生活圏の地域振興に関する「山 官 学連携」覚書に調印した。
今後、嵯峨谷縁の会と大阪芸大は、嵯峨谷の神踊り保存会と協力、踊りや音楽を譜面化・映像化・データ保存して、小学校の体験会で活用。ふる里の史実(口頭伝承)も、高齢者から聞き取り、その編纂史料を関係者に配る。
また「嵯峨谷サポーターズ」を創設して、地域の担い手を確保することや、映像学専攻の学生との協働でPR動画を作成、SNS発信などに取り組む。
さらに嵯峨谷縁の会は、ドローンを購入・活用して、一斉防除や肥料散布を行い、労力を削減するとともに、物資輸送訓練に挑み、災害時に備える。
少子・高齢化により、各地で盆踊りが途絶え、耕作放棄地が増える中、嵯峨谷の魅力を高め、多くの移住定住が期待される。
写真(上、下)は覚書に調印、披露する南木局長、塚本副学長、吉田会長、平木市長。写真(中)は嵯峨谷の神踊り=フォトライター北森久雄(きたもり・ひさお)さん撮影・提供。


更新日:2020年9月10日 木曜日 00:00

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