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高野口「再織教室」楽しく♡パイル織物資料館
名高い織物の町、和歌山県橋本市高野口町名倉にある、紀州繊維工業組合の「パイル織物資料館」――。
そこには美しいパイル織物を展示、素敵な「再織(さいおり)教室」が開かれ、県内外の多くの再織ファンを楽しませている。
同資料館は木造平屋瓦葺きで、昭和61年(1986)に「パイル織物誕生110周年記念事業」として開館した。
「再織教室」を開くとともに、手織り機や戦中戦後のパイル織物、昭和・平成初期の生地やアパレル、新装身具、縫いぐるみなどを展示。織物の歴史・文化が溢れている。
この「再織」とは明治10年(1878)、高野口で綿織物工場を営んでいた前田安助(まえだ・やすすけ)さんが、ヨーロッパのシェニール織をもとに考案した特殊織物のことである。
「再織教室」の講師は、野上孝子(のがみ・たかこ)さんと、杉村春美(すぎむら・はるみ)さんの2人。
毎週火曜と木曜に開く同教室には、再織の手織り機17台が用意され、毎週10数人の再織愛好家たちが、約4時間にわたり、実技指導を受けている。
初めに横縞(よこじま)に織った生地(きじ)を、縦糸に沿って裁断し、毛羽立ったモール糸にして、それを手織り機で、再び柄(がら)に合わせて織る方法を身に付けている。
野上さんは「新型コロナ禍の前は、東京の女性が、泊りがけで来られるなど、再織教室はいつも満員状態でした」と、再織の人気ぶりを紹介。
「ここで学ぶ皆さん、自ら心込めた再織作品を、家族や友人にプレゼントして、喜ばれています」と話していた。
同資料館はJR和歌山線・高野口駅のすぐ北側にある。開館時間は午前8時30分~午後5時30分。土曜、日曜、祝日は休館。入館は無料。
同教室(火曜・木曜)の授業料は毎月5000円+材料(糸)代。問合せは紀州繊維工業組合(電話=0736・42・3113、FAX=42・2054)木村さんへ。
写真は、再織教室で学ぶ生徒たちと講師の野上さん、さらに館内の展示物の風景。