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パイル織物は橋本名物♪応援宣言で世界に魅力発信

日本一のパイル織物の産地、和歌山県橋本市は4月11日、「パイル織物」を「ふるさと名物」として応援宣言し、同市と中小企業庁、近畿経済産業局の各ホームページで同宣言を世界に発信した。これは中小企業地域資源活用促進法に基ずく制度で、パイル織物企業に対し、国の補助金が優先的に採択される。橋本市経済推進部の岡本耕卓(おかもと・こうたく)商工サポート係長は「皆さんと連携協力しながら、郷土のパイル織物産業を盛り上げたい」と言っている。
説明資料によると、同市高野口町は江戸時代に木綿織物、後に川上ネルの産地となり、明治初期には再織(さいおり)という特殊織物の製法を創案して、カーテンなどを米国に輸出。大正時代にはシール織物、昭和初期にはドイツの二重パイル織機を導入して発展。今は、昭和30年以降のアクリル合成繊維の開発で、いろんな素材がパイル糸に使われ、寝装品、インテリア、衣料、車両、産業資材などを製造・販売している。
この高野口のパイル織物は、例えば国会議事堂やNHKホールの椅子、新幹線のぞみや観光バスの座席シート、欧米トップブランドの布地、玩具、雑貨、ぬいぐるみ、台所用品、OA機器トナーシール材など、広範囲に活用されている。
同市には紀州繊維工業協同組合=妙中清剛(たえなか・きよたけ)理事長、55企業=があり、産官学連携でパイルデザインコンテストを開き、市役所やJR・高野口駅前の葛城館(国の登録文化財)でパイル織物製品の展示、手織り実演などを開催。東京では「パイルファブリック展」で、パイル織物の魅力を世界に紹介している。
橋本市地場産業振興センター「裁ち寄り処(たちよりどころ)」(高野口町)では、再織の手提げかばん、幼児用リュック、ハンカチ、ペットボトルケース、スリッパなどの逸品を並べ、新幹線のぞみの座席も設置。
今回、橋本市が「パイル織物」を「ふるさと名物」として応援宣言したことで、国は今後、パイル織物企業の製造・開発・展示会などに対し、補助金を優先的に交付。中小企業庁は「パイル織物」をポータルサイト「ミラサポ」で世界に発信。
「裁ち寄り処」の西村尚美(にしむら・なおみ)さんは「ここにはパイル織物の商品約100種類を展示しています。北欧柄の手提げかばんや、釉彩(ゆうさい)のスリッパなど、魅力ある逸品ばかりです。ぜひ、ご覧ください」とアピールしている。
写真(上)は「裁ち寄り処」にパイル織物の逸品ずらり。写真(中)はパイル織物が活用されている新幹線のぞみ座席=「裁ち寄り処」で。写真(下)は「裁ち寄り処」に飾られたクマのぬいぐるみも可愛いパイル織物の商品の数々。


更新日:2017年4月12日 水曜日 00:00

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