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人気!Coffeeしらふじ♡高野の自然&旧校舎内
世界遺産・高野山へお参りする「京大坂道・不動坂」沿い、和歌山県高野町の旧・白藤小学校に、地元住民による「Coffeeしらふじ」がオープンして8月9日で1か月――。
マスターの刀祢尋一(とねひろかず)さん(73)は「この自然豊かな山里へ、大阪などの都市部から、大勢来られて、おいしいと言ってくれます」と喜んでいる。
白藤小は明治11年(1878)開校。昭和2年(1927)に児童数152人を数えたが、平成20年(2008)には児童減少により廃校となった。
この山里には、弘法大師・空海開祖の高野山へ登る「京大坂道・不動坂」が続く。鉄道も車道もない明治・大正以前は、参詣人の宿場町として栄えたが、やがて鉄道・車道の開通により客数は激減。今では在住者も8世帯約20人となっている。
この「ふる里復活」を目指すのが、地元住民でつくる「白藤の会」(10人)。会長を務める刀祢さんらが、「大都市や山麓の人々に、コーヒータイムを楽しんでもらおう」と、旧・白藤小職員室を改装、今年7月10日に「Coffee しらふじ」を開店した。
校内には地元在住の僧侶・直筆の「山霞一咽夕に神を谷う(さんがいちえんゆうべにしんをやしなう)=山谷に心育まれる」などの文言板が飾られている。
先ず驚いたのはマスコミ。「自然豊かで歴史的な山里の、しかも古い木造校舎で、みんなに喜んでもらいたいとは…」。たちまち新聞・テレビが紹介した。
さらに開店1週間後、コーヒーの祭典「高野山とふもと ジャパンコーヒーフェスティバル2021」が開かれると、校内に特設した4店舗は、すべて順番待ちの長い列となった。
その後も「Coffee しらふじ」には、家族連れや若いカップルらが電車やオートバイ、自転車などで訪れ、「まことに美味しい、ゆったり時間」を過ごしている。
玄関の棚には新鮮なキュウリ、トマト、わらび餅なども並んで安価で販売。運動場ではヒマワリが満開、小池では小さな錦鯉が泳いでいる。
巧みにオリジナルコーヒーを提供する刀祢さんは、「この店をご自分の一室、この山谷をご自分の庭というお気持ちで、のんびりとコーヒーを味わっていただきたい」と、人々の安らぎを望んでいた。
コーヒー「結び」400円、アイスコーヒー500円、ピザ(季節の野菜)500円、ツボ焼き芋300〜600円。
旧・白藤小学校は、南海高野線・紀伊神谷(かみや)駅を下車。山上へ徒歩約10分のところ。営業日は土曜、日曜、祝日の午前9時〜午後5時頃まで。同校わきや近くの集会所前に駐車場がある。
問合せは刀根さん(電話090・1441・9908)へ。
写真(上)は「白藤の会」会長で「Coffee しらふじ」マスターの刀祢さん。写真(中)は棚の野菜。写真(下)は旧・白藤小の玄関口。