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大賀ハス開花♡真土万葉の里〜休憩所では風鈴鳴る
万葉人が往来した〝飛び越え石〟で名高い和歌山県橋本市隅田町真土の「真土万葉の里」で、梅雨の晴れ間の7月6日、大賀ハスが咲き誇り、観光客の心を潤している。天候次第だが、見頃は8月中頃まで続きそう。
〝飛び越え石〟は和歌山、奈良の両府県境を流れる落合川にあり、両岸から突き出た2つの巨石の間を水が流れ、万葉人は馬や徒歩で往来した。
ハス池は、そのすぐ西側にあり、地元有志が10数年前、奈良県御所市の寺院から譲られた大賀ハス(古代の実から発芽・開花したハス)を植栽。精魂込めて育ててきた。
今、池一面でつぎつぎと蕾が生まれ、その一部はピンク色に開花、うるわしい彩りを放つ。すぐ隣の池では、すでに睡蓮(すいれん)の花が満開である。
近くの休憩所(トイレ付)では、元・紀州へら竿師の堀江尚功(ほりえ・ひさよし)さん手づくりの、風鈴やトンボ飾りなどの竹細工が置かれ、「自由にお持ち帰りださい」と張り紙している。
観光客の一人は、記名帳に「ハスの花、つぼみでもかわいい。トンボ、ちょうちょ、鳥、水の音、とってもいいです」と記していた。
万葉人は、「白栲(しろたえ)に にほふ信土(まつち)の 山川(やまがわ)に わが馬なづむ 家恋ふらしも」(信土山の川で私の乗る馬が行き悩んでいる。家人が私を思っているらしい=作者未詳)と詠んでいる。
歴史舞台を思いながら、大賀ハスを眺めると、ひときわ楽しい。
真土万葉の里は、JR和歌山線「隅田駅」から東へ徒歩10〜15分の所。京奈和自動車道・橋本東ICからも近く、駐車場は真土区の国道24号三差路を北側へ上がった右側にある。
写真(上、下)は美しい真土万葉の里の大賀ハス。写真(中)は飛び越え石と馬と武将の絵=雑賀紀光(さいか・きこう)筆。