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木造薬師如来38年ぶり御還坐♡橋本・妙楽寺仮本堂

弘法大師・空海が創建した和歌山県橋本市東家3丁目の真言律宗・妙楽寺(みようらくじ)の本尊・木造薬師如来坐像(県指定文化財)が、保存先の同市郷土資料館から、38年ぶりに同寺へ御還坐(ごかんざ)した。
岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職は「とてもうれしく、皆様と共に疫病退散、家内安全を祈りたい」と話している。
同寺は820年(弘仁11)に嵯峨天皇の勅願で弘法大師・空海が創建。空海の姪・如一尼がつとめた。戦国時代には、織田信長の高野山攻めのあおりを受けて本堂など焼失。再興を繰り返し、江戸末期には無住寺・無檀家となっている。
昭和58年(1983)には本堂老朽化で、本尊・薬師如来坐像と大日如来坐像など計3体(いずれも県指定文化財)は、同市郷土資料館で保存。その後、本堂は台風で崩壊、撤去している。
この日、薬師如来坐像は、県教育庁担当者の付き添いで仮本堂に御還坐。両脇には同寺所蔵の日光・月光菩薩立像が祀られた。
同寺西側には近く駐車場(約20台)を設置。9月5日(日)には、薬師如来坐像の開眼法要を営むことにしている。
和歌山県立博物館の大河内智之(おおこうち・ともゆき)主任学芸員は「この薬師如来坐像は、平安時代後期の造像で、大変貴重です。将来、本堂が再建されて計3体が祀られる、これはその第一歩と思います」と話した。
地元有志でつくる妙楽寺再建再興委員会の奥村浩章(おくむら・ひろあき)委員長は、「本堂再建・再興は大切ですが、今は新型コロナ禍時代です。先ず、薬師如来坐像の御還坐を願い、皆様にお祈りしていただくことにしました」と語った。
写真(上)は妙楽寺の仮本堂に御還坐した薬師如来坐像。写真(中)は薬師如来坐像と両脇の日光・月光菩薩立像。写真(下)は薬師如来坐像と同委員会など関係者の皆さん=向かって薬師如来坐像の右側が岩西住職、左側が奥村委員長、左端が大河内主任学芸員。


更新日:2021年6月11日 金曜日 00:00

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