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高野山で発見・小型五輪塔♡国登録有形民俗文化財に
和歌山県高野町の高野山・圓通寺(えんつうじ)で一昨年発見された「高野山奉納小型木製五輪塔(ごりんとう)及び関係資料」が、1月15日、国の登録有形民俗文化財に登録される見通しとなった。
この五輪塔は、高さ約9センチ、幅約3センチで、檜(ひのき)や杉(すぎ)製。平成31年(2019)4月、同寺本堂の須弥壇(しゅみだん)下の木箱から1万2156点と、祈祷札や護符など156点が見つかった。
高野山霊宝館の山口文章(やまぐち・ぶんしょう)館長は、記者会見で「木箱の墨筆文字から江戸時代後期、全国を勧進遊行(かんじんゆぎょう)した高野聖(こうやひじり)が製作、お布施した庶民の願文を書き込んで供養したらしい」と説明。
高野山真言宗の添田隆昭(そえだ・りゅうしよう)宗務総長は「江戸時代の高野聖の実態や、庶民信仰がわかる貴重な資料」と語った。
発見後、同館でこの五輪塔の一部を展示した際、参拝・入館者は「当時の人々の思いが伝わる」と感動していた。
この日、国の文化審議会が、文部科学大臣に答申。登録が決まると県内初、全国で46件目となる。
写真(上)は高野山霊宝館で木製・五輪塔を披露する高野山真言宗の添田宗務総長。写真(中)は高野聖が製作、庶民の願いがこもる木製・五輪塔。写真(下)は報道陣に説明する高野山霊宝館の山口館長=向かって左側=いずれも本紙掲載写真。
更新日:2021年1月15日 金曜日 23:55