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名月を心と思い♡橋本・妙楽寺~観月コンサート
和歌山県橋本市東家の真言律宗・妙楽寺=岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職=で10月1日夜、善男善女約20人が集まり、〝中秋の名月〟と〝重陽の節句〟を兼ねた「観月・コンサート」が開かれた。
境内に設けた祭壇には萩薄(はぎすすき)、団子(だんご)などが供えられ、岩西住職とともに、マスクをかけた善男善女が、空に輝く名月に向かって合掌。静かに心で般若心経を唱えた。
鐘楼門前では、橋本市在住の箏演奏家・山田裕子(やまだ・ひろこ)さんと、長女でシンガーソングライターの未来(みく)さんが登場。山田さんの箏の調べと未来さんのリードにより、全員マスクのまま「朧月夜」や「夏の思い出」などを合唱した。
大和語りべ・やすきひろこさんは、妖怪の面を被って現れ、自作の「あまびこの声」を披露。山田さんの箏演奏にのせて、日本の妖怪〝あまびこ物語〟を巧みに演じて、疫病退散を祈ると、大きな拍手が起きていた。
同夜7時過ぎの気温は17度前後。名月は鐘楼門の空に冴えわたり、萩薄が涼風にそよぐ。周辺の草むらでは、無数の秋声が湧きあがる。
岩西住職は毎年、満月について、「月輪観(がちりんかん)とは雲(邪念)を払い、清浄(せいじょう=清らか)、清涼(せいりょう=さわやか)、光明(こうみょう=明るさ)を感じることです」と説諭する。
この夜も、出演者3人にお礼を述べた後、「あの満月は皆さんの心と思ってください」と諭すと、善男善女は改めて月を見上げたあと、美味しそうにお茶、お団子をいただいていた。
写真(上)妙楽寺・鐘楼門の空にかがやく中秋の名月。写真(中)は鐘楼門の前で歌う未来さんと箏演奏する母の山田裕子さん。写真(下)は名月の下で「あまびこ」の面を被って語るやすきひろこさん。