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岡潔博士の情緒に感銘!数学WAVE・箴言冊子発行
「人の中心は、情緒である」――。和歌山県橋本市の名誉市民で世界的超1級の数学者である、岡潔(おか・きよし)博士(1901~78年)の箴言(しんげん)の素晴らしさを紹介する、冊子「岡潔から未来へ ココロにしみるあれこれ」が発行され、希望者に配布されている。
この冊子B5判49㌻で、橋本市岡潔数学WAVEの木地茂典(きじ・しげのり)会長、佐藤律子(さとう・りつこ)、西芳文(にし・よしふみ)両理事と、岡博士を思う市民10人で執筆、編集した。
中身は筆者が岡博士の書籍「春宵十話」「風蘭」など4冊を熟読吟味。その上で岡博士の和歌や箴言をそれぞれが解釈し、すべて無記名ながら各自の感想を簡潔に綴っている。
例えば、「ココロを立体的にみると」の題で、「おもしろいことが浮かんだ 知 情 意 この3つを軸にする これはオモシロイぞー 平面的な知識は 知 意 の軸で 情 高さ軸に考える あー立体がつくれるー つくれるー この容積自体が あっ 情緒といえるかな〜 へー いえるよね」と記述。
また、「人が先 自分を後に」の岡博士の言葉を使って作った、「人が先 自分を後に この訓え 世界の紛争 すべて解決」という和歌を紹介した。
そのうえで、「今の教育に一番欠けているのが、この言葉である。現在の人々は、日本人が従来もっていた『謙虚の精神』を忘れ、自分中心の権利を振りかざし、人を思いやる心がなくなり、人を押しのけても自分が、自分がという思いが強い。現代の殺伐とした世の中を岡先生は予言されている」と強調した。
さらに、岡博士ご夫婦や、2人の高野山・奥の院の散策、ふるさと・紀見峠の風景など、在りし日の貴重な写真約30枚を添えている。
木地会長は「なるべく早く、新型コロナ感染拡大が終息して、できれば7月から『岡潔 箴言教室』、さらに『岡潔 箴言かるた大会』を開いて、多くの市民に岡博士の心の素晴らしさを伝えたい」と話した。
同数学WAVEは、すでに金言・名言を和歌にまとめた「岡潔先生 箴言かるた」=1箱100枚入り2750円(税込)=を製作、JR・南海橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」(電話0736・33・3552)などで販売中。
今回の冊子「岡潔から未来へ」も400冊を印刷し、同数学WAVE事務局=同市教育文化会館3階の橋本中央公民館内(電話0736・32・0034)で配布している。
写真(上)は冊子「岡潔から未来へ」を披露する木地会長。写真(中)は紀見峠の岡潔博士め顕彰碑前で記念撮影する親族や橋本ロータリークラブ、数学WAVE、地元住民ら=2018年秋。写真(下)は発売中の「岡潔先生 箴言(しんげん)かるた」。