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笑顔の「テレ面会」♪橋本の特養・スマホでもOK

新型コロナウイルス感染防止のため、入所者と家族らの面会を禁止している和歌山県橋本市隅田町の特別養護老人ホーム「ひかり苑・天佳苑」は、近くパソコンやスマートフォンによる「テレ面会」を開始する。
堀畑佳久(ほりはた・よしひさ)施設長は、「こんな大変な時だけに、皆さんテレ面会することで、少しでも不安を解消して、幸せなひと時を過ごしてもらえたら」と言っている。
社会福祉法人・光誠会が運営する同施設は県内最大級で、入所者は約180人、デイサービス利用者は約50人にのぼる。
ここでは開設当初から、食堂など各階要所にアルコール消毒液を常備し、今回の新型コロナ防止対策では、マスク着用はもちろん、玄関にも同消毒液を置いて、家族らの手洗い励行を求めた。
感染拡大が進んできた2月22日以降、「面会中止」措置をとったことから、入所者と家族らの交流は、最長で約70日間も途絶え、寂しさや心配は深まるばかり。
そこで、堀畑施設長は「テレ面会」の実施を決心。依頼を受けた地元のOA機器販売業・外山正季(とやま・まさき)さんが、オンライン面会システムを構築した。
ちょうど外山さんの母・末子(まつこ)さん(87)も、同施設に入所中で、先ず「テレ面会」がスムーズにできるか否かをテスト。外山さんが玄関先でパソコンやスマートフォンを使い、施設内では車椅子に乗った末子さんが、介護士の操るパソコン画面を覗いた。
すると、双方の明るい声、久しぶりの笑顔が、すぐそこに。外山さんが「お母さん、ちょっと若こうなったな」と言うと、末子さんは「何言うてんのん、さっき散髪したとこや」とにっこり。外山さんが「そうか、お父さんは、ぼくにまかせときや」と言えば、「よろしく頼むわね」とやりとり。双方、久々に手を振り合うことができた。
「ひかり苑・天佳苑」では今後、玄関・机上にパソコンと椅子を用意。入所者の家族らから「テレ面会」の希望者を募り、面会日程を決める。
入所者は施設内の好きな場所から、家族らは全国どこからでも、スマートフォンでテレ面会。スマホを携帯していない人は、施設玄関のパソコンで交流することになる。
堀畑施設長は「これまでは担当者が電話で、入所者の健康や生活の様子を、ご家族に伝えていましたが、『リアルタイムで顔が見たい』という声も多いので、テレ面会実施に取り組みました」と話した。
同施設では4月23日、近隣の介護施設で新型コロナ感染者が確認されたため、翌24日からやむを得ずデイサービス中止措置をとったが、全家庭の窮状を受け止め、5月11日(月)から再開する方針。
写真(上)は介護士の付き添いで「テレ面会」に臨む車椅子の外山末子さん。写真(中)はスマートフォンでテレ面会。写真(下)は玄関で母・末子さんとテレ面会する外山正季さん。


更新日:2020年5月7日 木曜日 00:00

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