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疫病退散へ高野の火まつり!修験者のほら貝響く
新型コロナウイルスが地球レベルで拡散する中、世界遺産・高野山(和歌山県高野町)で3月1日、山開き・諸願成就を祈る「高野の火まつり」(大柴灯護摩供=だいさいとうごまく)が営まれた。高野の火まつりは平成8年(1996)から続く恒例行事だが、同実行委員会=豊田高暢(とよだ・こうちよう)委員長=は、今回初めて「疫病退散・無病息災」の大祈願会とした。
舞台は高野山真言宗総本山・金剛峯寺前の駐車場。中央に高さ約1・5㍍、直径約2・5メートルの護摩壇(ごまだん)を設け、その四方を竹と綱と紙垂(しで)で囲み、その結界内に金剛峯寺の葛西光義(かっさい・こうぎ)座主・管長や、山伏(修験者)姿の僧侶ら約30人が登場した。
実行委では今回に限り、参集自粛を呼びかけたが、実際にはアルコール消毒液で手を洗い、マスクを装着した、参拝者約1200人(例年の約半数)が集まった。
葛西座主・管長は洒水加持(しゃすいかじ)で結界内を清め、修験者らが大斧(おおおの)や剣(つるぎ)、弓矢で邪気払いの儀式を挙行。
ブォオーと鳴る法螺貝(ほらがい)の響きを合図に、檜葉(ひば)で組まれた護摩壇に点火すると、まるで昇龍のような火煙が立ちのぼり、修験者らは願文を書いた護摩木約1500枚を次々投げ入れる。参拝者らは火煙や不動明王に合掌し、家族安泰や無病息災を祈っていた。
実行委の目黒寿典(めぐろ・じゅてん)委員は「今回は皆様方の参集自粛をお願いするとともに、参加された方々には手洗い、消毒やマスク装着を徹底しました。皆さま方の無病息災と万民豊楽をお祈りしています」と話していた。
写真(上)は高野の火まつりで護摩壇から上がる火煙と疫病退散を祈る修験者ら。写真(中)は静かに手を合わせ疫病退散・無病息災を祈る修験者ら。写真(下)は護摩壇で1500枚の護摩木の炎が揺れる火まつり。