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高野山の僧・寒行托鉢!雨・雪解けの中~済世利人
和歌山県高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺の僧侶らは1月23日、開祖・弘法大師の「済世利人(さいせいりにん)=世を救い人々に利益を施す」という教えを守り、雨と残雪の山内で浄財を求める「寒行托鉢(かんぎょうたくはつ)」を実践した。
すでに大寒を迎えているが、午前9時の高野山の気温は11度前後で、平年の最高気温を約8度も上回り、残雪も雨に濡れて少ない。
先ず、高野山内の僧侶や修行僧ら約150人が、網代笠(あじろがさ)に黒い法衣姿で、金剛峯寺境内に参集し、全員、雨傘の下、読経・合掌した。
添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)宗務総長は「寒行托鉢は僧侶の修行のひとつです。山内の皆様のお気持ち(浄財)を届けることができたら幸いです」と話し、一行は9班に分かれて出発。1000軒を超える山内寺院や商店、民家などを一軒ずつ丁寧に巡り、軒下で錫杖(しゃくじょう)を振って、般若心経を唱え、浄財を受け取るたびに深々と頭を下げていた。
集まった浄財109万2432円は高齢者支援など社会福祉事業に充てられる。
写真(上)は雨に残雪が解ける中、金剛峯寺本堂に向かって般若心経を唱える僧侶たち。写真(中)は金剛峯寺・山門を出発する僧侶の列。写真(下)は商店玄関先で寒行托鉢する添田宗務総長ら一行。
更新日:2020年1月24日 金曜日 00:01