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小雪舞う中、托鉢寒行~妙楽寺再興へ善男善女10人

和歌山県橋本市東家の紀伊西国三十二番札所・嵯峨天皇勅願所・真言律宗「妙楽寺」の岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職と、妙楽寺再建再興委員会=森下功(もりした・いさお)委員長=の男女約10人は、小雪ちらつく12月18日、老朽化で崩落した本堂の再建浄財を求めて、同市東家区内を托鉢行脚(たくはつあんぎゃ)した。
同寺は820年(弘仁11)に弘法大師・空海が創建。戦火を受けるなど再建を繰り返し、2011年(平成23)秋には、本堂と庫裏の屋根が、老朽化と台風のため崩落・撤去した。
同寺は檀家のない寺で、再建資金が皆無のため、区民有志が「妙楽寺再建再興委員会」をつくり、本堂再建に向けて托鉢寒行を開始。今回で5回目になる。
この日、岩西住職と会員らが同寺で御法楽(ごほうらく)を営んだ後、網代笠(あじろがさ)姿の岩西住職は、首に輪袈裟(わげさ)を掛けた母・康子(やすこ)さんや、会員有志とともに、旧・大和街道沿いの商店や民家約150軒をまわり、軒先で般若心経を唱えて合掌。商店主や家人らは丁重に出迎えたうえ、「ご苦労様です」と浄財を手渡すと、岩西住職や有志らは「托鉢御礼」の礼文を差し出し、「ありがとうございます」と、深々と頭を下げていた。
同寺の本尊・薬師如来座像と、脇侍(わきじ)の大日如来座像、薬師如来座像の3体(県重要文化財)は現在、橋本市郷土資料館で保存中。また、紀の川筋で最古の仏像・観音菩薩立像(奈良時代後期~平安時代初期)は、橋本市文化財に指定されている。
岩西住職は、高野山真言宗・総本山金剛峯寺の中西啓寶(なかにし・けいほう)座主・管長の随行を務める若い修行中の僧侶。初回は東日本大震災・被災者支援の托鉢寒行を行い、浄財10万4900円を、被災地に寄贈。以後は本堂再興費用に充てる。
森下委員長は「2020年の妙楽寺創建1200年の節目をめざして本堂を再建。重文の仏像3体を新本堂に戻し、多くの人々に拝観していただきたい」と、協力を訴えている。
写真(上)は民家の軒先で托鉢寒行する岩西住職と再興委員会の有志たち。写真(上)は妙楽寺・鐘楼門を出発する岩西住職と再興委員会の有志たち。写真(下)は右の女性から浄財を受け、感謝する岩西住職と母・康子さん。


更新日:2014年12月19日 金曜日 00:00

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