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大天狗!渡御、春雨を行く~丹生都比売神社・花盛祭

和歌山県かつらぎ町上天野の世界遺産「丹生都比売(にうつひめ)神社」=丹生晃一(にう・こういち)宮司=で4月14日、祭神に花を供えて春の訪れを祝う、恒例の「花盛祭(はなもりさい)」が開かれた。この日は春の小雨まじりの中、大天狗を先頭にした渡御行列が、華やかに鏡池の輪橋(りんきょう)を渡り、参拝・観光客はその神々(こうごう)さに心打たれていた。
同神社は1700年以上前の創建で、主祭神は天照大御神(あまてらすおおみのかみ)の妹神・丹生都比売大神。創建から約500年後の弘仁7年(816)には、弘法大師・空海が同神社の神領・高野山を拝領して、高野山を開創した「神仏融合」初の神社という。
この日午前、丹生宮司が本殿で祝詞(のりと)を奏上。子どもたちが雅楽に合わせて、楼門内で「浦安(うらやす)の舞」を舞い、笙(しょう)・太鼓の舞楽も奉納された。
午後は「渡御(とぎょ)の儀」で、この神事は神輿(みこし)行列が、遥か和歌山市和歌浦の玉津嶋(たまつしま)神社まで巡行した「浜降り神事(はまくだりしんじ)」。天野の里では「渡御の儀」として伝承され、過去幾度か中断したが、平成元年(1989)に地元住民の協力で見事復興し、繰り広げられている。
渡御の儀では、真っ赤な天狗の面をかぶり、一枚歯の高下駄をはいた大天狗を先頭に、神玉や剣、弓矢を持った狩衣(かりぎぬ)姿の人など、大勢の行列がうやうやしく楼門を出発。参道脇に立つ計24本の竹筒には、室町時代の「天野の里」の絵巻物にある真っ赤なバラなどが活けられ、行列はその参道から弁柄色の輪橋を静々と渡った。
丹生宮司は糸のような春雨の中、壇上に着座。玉津嶋神社の方角に向かって、うやうやしく祝詞を奏上。後ろに立ち並ぶ大天狗や、狩衣姿の人たちとともに拝礼し、人々の安寧(あんねい)を祈っていた。
写真(上)は花盛祭で丹生都比売神社の楼門を出発する渡御行列先頭の大天狗。写真(中)は同神社の輪橋を渡る渡御行列。写真(下)は玉津嶋神社に向かって立ち並ぶ大天狗や狩衣姿の人々。


更新日:2019年4月15日 月曜日 00:00

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