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信太小「書道アート」完成!最後の卒業式へ児童制作

今春、開校以来143年の歴史に幕を閉じる、和歌山県橋本市高野口町九重の市立信太小学校で、3月7日、6年生の女子児童3人が卒業式&閉校式に掲示する巨大な「書道アート作品」を完成させた。そこにはふる里への感謝の気持ちや、未来への希望が溢れており、辻脇昌義(つじわき・まさよし)校長は「実に見事な出来栄え」と讃えた。
同校は明治9年(1876)に開校した寺小屋形式の嵯峨、上中、田原の3小学校が始まりで、北側に紀泉山脈がそびえる高台にある。昭和22年(1947)に信太小学校となり、卒業生は約3000人にのぼるが、少子高齢化のため児童が減少し、昨春から6年生3人となった。
この日、同市三石台在住の書家で篆刻(てんこく)家の三田象山(みた・しょうざん)さん(76)の指導を受けながら、同校児童会会長の守内睦美(もりうち・むつみ)さん、平田深愛(ひらた・みあい)さん、森口翔月(もりぐち・かづき)さんが、丁寧に筆を運んだ。
横断幕(縦約80センチ、横約10メートル)には朱色で「感謝」、黒字で「ありがとう信太小学校」とし、朱色で「卒業生一同」と大書した。
かるた風の囲みラインの中に、守内さんは「信太小楽しい日々を忘れない」、平田さんが「のびのびと笑顔あふれる信太っ子」、森口さんは「大好きだ今までほんとありがとう」と思いを綴った。
最大作品(縦約3メートル、横約12メートル)の中央には、ヒマワリのイラストを描き、「地域の人との交流を大切に」「これからもすばらしい自然が大切にされて守られますように」などと記した。
三田さんは市立三石小学校で「墨象作品」の制作指導に貢献しており、辻脇校長は「最後の卒業式に臨む子供たちのために」と、三田さんに指導を依頼。昨年12月から「書道アート作品」づくりに取り組んできた。
守内さんら3人は「福島ひまわり里親プロジェクト」に参加して、東日本大震災の被災地・福島へ、自分たちで栽培したひまわりの種を贈ったり、植樹や野鳥の巣箱作りをして、第72回愛鳥週間「野生生物保護功労者表彰」を受けたり、先輩たちと共に活躍してきた。
守内さんは「楽しかった校外学習や、みんなと遊んだことを、中学校に進んでも生かしたい。学校の建物は残し、ふる里の拠点にしてほしい」と抱負を述べ、辻脇校長は「3人とも個性豊かで、素朴なカラーです。その調子で、成長してくれたら」と話した。
最後の卒業式は3月23日(土)午前9時から、閉校式は正午から、いずれも同校体育館であり、その壁面に「書道アート作品」が飾られる。
式終了後は信太地区区長会・信太小学校閉校プロジェクト主催の「立食パーティー」がある。参加者は会費(大人2000円)が必要。
写真(上、中)は筆に思いを込める信太小の守内さんら3人。写真(下)はひまわりのイラストを前に笑顔を見せる守内さんら3人。


更新日:2019年3月8日 金曜日 00:00

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