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橋本市民狂言ユーモラス♪病気克服・中野さん熱演

和歌山県橋本市の全国でも珍しい「橋本市民狂言」が2月3日、同市教育文化会館大ホールで開かれ、約250人の観客がユーモアあふれる日本の伝統芸能を堪能した。
橋本狂言会や橋本市文化協会、橋本ユネスコ協会などでつくる実行委員会主催で、橋本市と同市教育委員会の共催。
先ず、後藤加寿恵(ごとう・かずえ)顧問が「橋本市民狂言は、大和座狂言事務所のご協力により、平成3年(1991)に〝紀ノ川市民狂言〟としてスタート。同24年(2012)に橋本市民狂言と改称して、今回で28回目の開演となります。舞台や幕、衣装などは手作りで、女性メンバーの着付けはプロ並み、子供たちの成長もめざましい。〝わがまちに狂言あり〟ということを誇りにしてください」と挨拶し、来賓の平木哲朗(ひらき・てつろう)市長らが、橋本狂言会などの日本文化伝承を讃えた。
第1部は、こども狂言教室のメンバー8人が「口真似(くちまね)」「清水」「太刀奪(たちばい)」の3演目、第2部は橋本狂言会の10人が「魚説教(うおせっきょう)」「萩大名(はぎだいみょう)」「左近三郎」「千鳥」の4演目、第3部は「大和座狂言事務所」の安東元(あんどう・げん)さんら3人が「佐渡狐(さどぎつね)」を演じた。
今回は、FMはしもと報道部長の中野豊信(なかの・とよのぶ)さんが胸の手術を克服して、「萩大名」の大名役で出演。太郎冠者の岸田和美(きしだ・かずみ)さん、庭の亭主の植村和明(うえむら・かずあき)さん相手に妙演を披露した。
大名が太郎冠者に萩見物の茶屋案内をさせたが、そこで萩の歌を詠まなければならない羽目に。太郎冠者が「私の膝(ひざ=むこうずね)に和歌を書いておくから」と助け舟を出すが、大名が庭の亭主に「七重八重九重とこそ思ひしに十重咲き出づる」とまで告げると、すでに太郎冠者はその場にいない。亭主が「そのあとは」と何度も迫り、大名は「萩の花かな」と答えられずに、難渋のすえ「むこう脛(ずね)かな」と言ってしまうというストーリー。
太郎冠者や庭の亭主と呼吸ぴったりで、清々しく立ち回る中野さんの滑稽ぶり、歯切れ良さに大きな拍手が送られた。中野さんは「医師のお墨付きを得て、4回目の出演となりました。何よりも元気に演じることができたので、感謝のことば以外にありません」と満面の笑みを湛えていた。
なお、「こども狂言教室」(公益財団法人・文化スポーツ振興公社主催)では毎春、受講生を募集。7月から毎月2回前後の練習を重ね、1月の本番「橋本市民狂言」で、成果を披露している。受講希望などの問い合わせは同振興公社(電話0736・33・6108)へ。
写真は橋本市民狂言で「萩大名」を演じる中野さん=いずれも中央。女性は太郎冠者・岸田さん、男性は庭の亭主・植村さん。


更新日:2019年2月4日 月曜日 00:00

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