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はたごんぼ♪金剛峯寺へ奉納~風味豊かと岡本組合長

和歌山県橋本市西畑の農事組合法人「くにぎ広場・農産物直売交流施設組合」=岡本進(おかもと・すすむ)組合長=は、11月30日、高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺=葛西光義(かっさい・こうぎ)座主・管長=に、昔の「雑事のぼり」の形で橋本名物「はたごんぼ」を奉納した。
「はたごんぼ」とは、江戸時代から橋本の世界遺産「黒河道(くろこみち)」沿いの国城山中腹で栽培されてきた牛蒡(ごぼう)のこと。昭和初期に栽培は途絶えていたが、約9年前に地元有志が見事復活させた。
「雑事のぼり」とは、金剛峯寺へ高野山麓から徒歩で食料を奉納する民俗行事だが、戦後長らく忘れ去られていた。
同組合は平成25年(2013)、「はたごんぼ」を車で運び、初めて金剛峯寺へ奉納。翌26年以降は「雑事のぼり」を復活させ、徒歩で「はたごんぼ」を運んできたが、今回は夏の大型台風で黒河道が大荒れになったため、大事をとって、高野町役場まで車輸送することにした。
この日、橋本市の紀の川フルーツライン沿いの産直市場「くにぎ広場」で出発式があり、平木哲朗(ひらき・てつろう)市長が挨拶、シンガーソングライター・Chojiさんが「はたごんぼの歌」を披露した後、車で「はたごんぼ」を輸送。
高野町役場から金剛峯寺へは、朱色のハッピ姿の素和治男(すわ・はるお)理事ら2人が、最長82センチ、太さ最大6センチの「はたごんぼ」(計11本入り)を、背負子(しょいこ)で担ぐなどして、計27本(20・2キログラム)を1列縦隊で歩いて運んだ。
奉納式は金剛峯寺・大広間で行われ、添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)宗務総長ら僧侶4人が着座。関係者約20人と共に般若心経を唱えた後、岡本組合長が奉納目録を読み上げ、素和理事らが「はたごんぼ」を奉納。添田宗務総長から感謝状が贈られた。
添田・宗務総長は「高野山は昔、野菜も米も栽培できない中、山麓からの雑事のぼりのお陰をいただきました。『はたごんぼ』も栽培復活した時は『幻のはたごんぼ』と呼ばれましたが、今では名高くなり、もう幻でないことがうれしいです」と謝辞を述べた。
岡本組合長は「今年のはたごんぼは、夏の多雨に影響され、やや小ぶりですが、例年通り、やわらかくて、風味豊かでおいしいです」と説明。「私たちは金剛峯寺への奉納がうれしく、きょうを励みに来年も逸品を奉納できるようがんばります」と話していた。
写真(上)は高野山金剛峰寺の境内を背負子を担いで進む素和理事ら一行。写真(中)は金剛峯寺・大広間で般若心経を唱える添田宗務総長や奉納参加者たち。写真(下)は「はたごんぼ」を奉納する素和理事ら2人と岡本組合長=手前は添田宗務総長。


更新日:2018年12月1日 土曜日 00:00

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