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まるで白龍?放生池の藤の木~橋本・隅田八幡神社
国宝・人物画象鏡(がぞうきょう)が伝わる和歌山県橋本市隅田町垂井の隅田八幡神社の放生池(ほうじょういけ)ほとりに藤の木古がある。その蔓状(つるじょう)の根元は神聖な白龍を感じさせ、池には錦鯉(にしきごい)が回遊していて、参拝・観光客のちょっとした憩いの場となっている。
同神社の秋祭り(和歌山県無形民俗文化財)は、勇壮な担ぎ屋台(だんじり)で名高く、「放生会」(殺生を戒める宗教行事)が祭りの起源とされる。
放生池は本殿西側にあり、東西約10メートル、南北約5メートル。真ん中に石橋が架かり、上からは「∞」(無限大)の形に見える、
藤の根元は、大人の腕程もあり、根元付近では、幾重にも輪を描き、曲がりくねっている。上部では6つに蔓(つる)分かれして、藤棚にからみつき、池の周囲には龍の髭(りゅうのひげ)が青々と茂る。
池では同市山内の東浦邑征(ひがしうら・くにゆき)さんが奉納した大鯉(おおごい)20匹が悠々と回遊。鷺(さぎ)や烏(からす)に襲われないよう、池全体を網でおおっている。
寺本嘉幸(てらもと・よしゆき)宮司は「藤の木は70数年前、私の子供の頃からあり、今なお、そのままの形です」と、その樹勢のすごさを説明。
長女の祥子(しょうこ)さんは「私は子供の頃、藤の根元に乗って、楽しく遊びました」と述懐。「参拝・観光の皆様にとっても、大切な場所かと思います」と話した。
龍に関しては、同神社参道の随身門(ずいしんもん)に昭和29年(1954)、画家の客殿南峰(きゃくでん・なんぽう)さんが天井画「青龍(せいりゅう)」を寄進。多くの参拝・観光客が見上げながら、石段を登っている。
写真(上)は隅田八幡神社の放生池わきで白龍を思わせる藤の木。写真(中)は放生池の錦鯉。写真(下)は迫力あるぐるぐる巻きの根元付近。