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絵画と自分?鏡で鑑賞♪くどやまアートウィーク

町全体を丸ごと「美術館」に見立てた「くどやまアートウィーク2018」が、9月29日、和歌山県九度山町で開幕した。主催するくどやま芸術祭実行委員会の岡本章(おかもと・あきら)会長(町長)は「どうぞ芸術の秋を、楽しんでください」と言っている。
南海電鉄と大阪芸術大学が後援、紀の国やっちょん振興会が共催。真田のみち(九度山商店街)の商店や民家、空き地の「まちなかエリア」と、弘法大師・空海の御母公(ごぼこう)を祀る慈尊院や隣の丹生官省符神社を軸とした「世界遺産エリア」を舞台に招待作家24人、町内作家4人、3団体の作家らの絵画や造形、刺繍(ししゅう)、写真などを展示している。
この日、台風前の小雨の中、道の駅「柿の郷くどやま」芝生広場で開会式があり、岡本会長が「私たちは町が丸ごと芸術館にをキャッチフレーズに開催。とくに子供たちには本物の芸術を感じてほしい」と挨拶した。
道の駅「柿の郷くどやま」体験研修施設では、橋本出身で大阪市在住の大西高志(おおにし・たかし)さん(40)と、滋賀県出身で大阪府高槻市在住の池原悠太(いけはら・ゆうた)さん(30)が、「混ざり合う世界」というタイトルで、絵画計10数点を展示。
とくに畳の間では、中央に正方形の鏡(約2畳分)を敷設。そこにはプロジェクターで、天井に投影した動植物や、風景が映っていて、それを覗き見ると、自分の顔もそこにあるという不思議な空間芸術である。
訪れた岡本会長は、鏡に写っている天井映像や、自分の姿にあっと驚き、「なかなかいいものですね」と称賛。壁面には、大西さんの朱色を基調にした牡丹(ぼたん)や雲、鳥などをを描いた「牡丹群鳥(蝶)図(ぼたんぐんちょうず)」や、池原さんの輪廻転生(りんねてんせい)を感じさせる鯨(くじら)と入道雲の「明日へと続く」などが、まるで生命のように輝いている。
いわばこの〝床の鏡アート〟について、池原さんは「展示場(体験研修施設)を見せてもらった瞬間、このような空間の活かし方を思いつきました。高さ約5メートルの天井が、床から約5メートルの深さに映って空間が広がり、その鏡を覗き込むご自身の姿を改めて見ることも、大切なことかと思います」と語っていた。
「くどやまアートウィーク2018」は10月14日(日)まで。特別展は、大西さんと池原さんの「混ざり合う世界」のほか、丹生官省符神社で、山田廣之信(やまだ・ひろのしん)さんと渡邊加奈(わたなべ・かな)さんの「コラボ展」、松山常次郎記念館で「九度山八景絵画展」などが、計7か所で開催される。
10月7日(日)午前10時~午後4時は、真田のみちの空き地や空き家でフリーマーケットや軽トラ市が開かれ、アーティスト4人によるライブペイントフェスタがあり、シャツターや壁にアートが描かれる。
同8日(月・祝)午前9時~午後4時は、柿の郷くどやま芝生広場をメイン会場に、紀の国やっちょん祭りが繰り広げられる。
また、同14日(日)午後4時30分~同8時は、慈尊院境内でアーティストAWAYAによるライブ、夕暮れには灯籠が灯され、丹生官省符神社や町石道(ちょういしみち)がライトアップされる。
問い合わせは、くどやま芸術祭実行委員会事務局(九度山町産業振興課内)=電話0736・54・2019、FAX0736・54・2022)。
写真(上)は大きな鏡に映る天井の映像や自分の姿に驚く岡本会長と説明する大西さん。写真(中)は正面奥には大西さんと池原さんのコラボ絵画が掲げられている。写真(下)はプロジェクターから天井に放った映像が2人の前の鏡に映る。


更新日:2018年9月30日 日曜日 00:00

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