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ふる里の棚田で子供ら田植え♪手足泥んこ気持ちいい
日本の原風景を感じさせる、和歌山県橋本市柱本の「芋谷の棚田(いもだにのたなだ)」で、6月12日、柱本小学校と柱本幼稚園の子供たちが、初めての田植え体験をした。
小学校と幼稚園が主催、柱本田園自然環境保全会が協力。柱本小学校5年生23人と、柱本幼稚園5歳児8人が参加し、3、4歳児13人が見学した。
この「芋谷の棚田」は、大阪・和歌山府県境の南側で、先人たちが約450年前(室町時代)に開拓し、芋谷川の石を使って石垣や水路を構築。田は138枚(計5・4ヘクタール)、畑は9枚(0・8ヘクタール)ある。これまで棚田を守りながら農作業を継承し、良質の米を栽培してきた。
この日、保全会の大原一志(おおはら・かずし)会長と、はしもと里山学校の佐藤俊(さとう・さとし)代表が「米という字は八十八と書きます。米を作るには草取りなど八十八回の作業が必要です」と説明。
さらに「田植えは協働作業なので、いくら自分一人が頑張ってもダメです。他の皆さんと呼吸を合わせる大切さを、しっかり学んでください」と諭した。
この後、子供たちは裸足(はだし)で2枚の水田(計約500平方メートル)に入り、保全会の約10人から田植えの仕方を教わりながら、田植え枠(わく)の赤印を目安に、必死で早苗(さなえ)を植えていった。
額(ひたい)に汗し、手足を泥んこにさせて、最後まで頑張った柱本小学校の米澤玲衣(よねざわ・れい)さんは「田んぼの水は冷たくて、ぬめぬめしていた。それが気持ちよくて、初めての田植えは楽しかったです」と笑顔を見せていた。
佐藤代表は「今後、この棚田ですくすくと稲が育つ風景を見に来てください。10月の収穫期には、子供たちが植えた米を収穫して、学校・幼稚園に届けまので、じっくり味わってくださいね」と話していた。
写真(上、下)は柱本小学校の子供たちの田植え体験。写真(中)は橋本市柱本の「芋谷の棚田」風景。